身体から精神が花離れていく感覚

合図というのは程遠いものだった。
周りの音が、声が徐々に遠くなり、目の前が真っ暗になった。

あぁ、死のう。

確かにそう思った、ことは覚えている。
次に目を覚ましたのは――いや、我に返ったのは、誰かの叫び声を聞いたからだ。

散乱する部屋、飛び散る血、叫びどこか必死になっている人々。
そこは私の部屋で、飛び散ったのは私の血で、みんな私の体を必死に掴んでいた。

あぁ、死のうとしたのか
そして失敗したのか

今までも「死にたい」と思うことは何度もあった。
でも「死のう」としたことは一度もなかった。
だからなんだかんだ生き続けて、そして病気かなんかで死ぬんだろうと思っていた。

だから、まさか自分が本当に死のうとするなんで、自分でも思わなかった。
一番、自分が自分の行動に驚いているんじゃないだろうか。そう思う。

何故死のうと思ったのかは、未だにわかっていない。
ただ、これ以上ここにはいられないと、思った。

痛みはなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?