ジャンプ傘の骨
そもそも一般的な言葉としてはジャンプ傘と言うよりもワンタッチ傘と呼ぶ方がしっくりとくる方も多いかもしれません。傘の業界ではボタン一つで傘が開くタイプの傘をジャンプ傘、その骨をジャンプ骨と称します。
ちなみに、手で開くものはそのまま手開きの傘、手開きの骨と言います。
さて、このジャンプという種類の傘は長傘に用いられ、低価格帯と高価格帯以外の中価格帯の傘の骨として多く用いられています。というのも、低価格帯ですとジャンプ機能を付けることで数百円高くなるために使われないケースが多いからです。例えばジャンプ無しならば500円で販売できる傘がジャンプありだと700円で販売しないと利益が出ないと言った感じになりやすいため、本当の使い捨て傘では採用されません。
また、反対に高価格帯の傘にもジャンプの骨はあまり採用されません。ジャンプ傘はばねの力を使い自動で開く機構の都合上、修理が大変で、骨一つ交換するにも専用の治具を用いないといけないので、末永く使うことを前提とした高級洋傘にジャンプ骨を使用するのを避ける傾向にあるのです。
このような理由から中価格帯の傘に多く用いられるジャンプ骨ですが、実際にアンケートなどを取ったケースでも、一般の方はジャンプ傘を好まれる傾向にあります。低価格帯においても、あるならばジャンプ傘を選ばれる方が多いのですが、この帯に関しては価格と相談してという事のようでもあります。
恐らくなのですが高価格帯でもジャンプ傘がたくさん存在しているのであれば、手開きの傘ではなくジャンプ傘を選ばれる方がそれなりにいらっしゃると思われます。実際、傘を生産している企業さんにおいても、修理の問題が無ければ高品質なジャンプ傘を創りたいという話はよく出てきます。
ただ、ジャンプ傘には暴発という怖い問題がありますので、そのあたりの問題も高価格帯の傘にジャンプ骨を使用することを躊躇する原因になっていると思われます。
ジャンプ傘は構造上、下ロクロで常に飛び出そうとしている展開機構をたった1点で抑えているのですが、ロクロが何らかの理由で機能しなくなってしまうと(例えばロクロが割れてしまったりすると)意図せず傘が展開し暴発状態になります。もしかするとその時の展開の勢いで目に露先がなどという事故もありうるわけです。
ですので高級洋傘であっても、どうしてもそのような事故率を下げられるわけではないので、そのような傘は手開きの骨を使用することが多いのだと思われます。
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