ウイニング・アグリー③ byブラッド・ギルバート(本の要約記事)
ゲームプランを立てる
「復習」というプロセスは、それと同じ位重要な「作戦を立てる」というプロセスへとつながっていく。
そして、作戦を立てる事は次の2つの事について考える事から始まる。
①試合で何が起こって欲しいかを考える。
②試合で起こって欲しくない事は何かを考える
相手を評価する事によって、ゲームのアプローチ方法を固めていく。相手のゲームスタイルやストロークの特徴を考えながら、自分がとるべき基本的なゲームプランを用意する。
最後に対戦した時、バックハンドが不調になって負けたのだとしたら、今回はそうならないようにする方法を考える。
相手のサーブが弱いのなら、どうすればそれを有利に生かせるかを考える。ある特定のプレイヤーに対する専用のゲームプランを立てる。そしてこれは、すべてコートに着く前に完成させなければならない。
勝つためのコンパス(磁石)をセットする
体は、脳が指示する通り動こうとする。だからこそ、脳から的確な指示を与えなければならない。
試合前に十分な戦略が用意されていれば、試合開始後、脳は体の各筋肉に正しい指示を出す事ができる。
到着したい目的地(勝利)に着くためのコースを設定していれば、1度試合が始まったら、ゲームはあっという間に進んでしまう。基本的なプランは次の質問に答える事から始まる。
「相手の最強の武器は何か?」
「相手の弱手は何か?」
「自分のベストショットは何で、どうすればその武器を相手の弱点に向けて使う事ができるか?」
「自分の弱点を相手につけ込まれないためにはどうしたらいいか?」
試合前の努力は、心の中にコンパス(磁石)を作る
このコンパスは常に行きたい方向を示し、そしてどうすればそこにたどり着ける事ができるのかを示してくれる。
途中で回り道があったり、相手に意表をつかれたり、迷ったりする事もあるかもしれない。しかし、基本的な道順は事前に頭に入っているし、頭の中のコンパスがコースから外れないように導いてくれる。
十分な情報を持っていれば、作戦を練れば練るほど有利になれる。
強いプレイヤーはいいスタートを切る事に物凄く神経を使う。なぜなら、そうする事によって、試合の流れや、全体のトーンを決める事になる。相手をすぐに自分のペースに巻き込んでしまえば、相手は常に追いかけなければならなくなる。
時には相手は立ち直るかもしれないが、多くの場合そうはできないもの。できれば、相手の立ち直る機会を潰さなければいけない。
できるだけ早い時点で、相手に「多分、今日はついてない」と思わせる事が大切。
チャンスはゲームの中盤以降にやってくるとはかぎらない。試合開始直後にだって、十分起こりえる事。だからこそ、ウォーミングアップは試合前、できるだけ早い段階で開始するべきなのである。
自分にとっていいスタートを考える事で、試合の終わりにもいい結果を招くチャンスを獲得する事ができる。
ウォーミングアップで相手のゲームを研究する
試合前の最終調整であるストロークのウォームアップには、自分のショットの調子を整えるほかにもう1つ大切な目的がある。
それは、相手がいかなる弱点を持っているかを探る事。これは相手との対戦が初めてである場合、特に重要になる。
○コートの真ん中に打つ・・・フォアかバック、どちらのサイドが好きかという事がわかる。
○ボレー練習の時に突然ロブを上げる・・・スムーズにカバーできるか、フットワークは軽快か、それともぎこちないか、これでスマッシュのレベルがわかる。
○ボレー練習の時に足元にボールを沈める・・・膝を曲げてうまくローボレーを打つか、それともラケットを下げるだけか、後者なら、相手のネットプレイは恐れる必要はない。
○ラリー中に観察する・・・フットワークを観察する。ショットはスライス、トップスピン、フラットのうち、何を得意としているか。スイングは大きく円を描くループスタイルか、それともコンパクトか。
ウォームアップで相手のプレイに感心しすぎてはいけない。
威力のあるスーパーショットなど大事な場面で成功させられる可能性は非常に低い。
相手のストロークや動きで少しでもぎこちない部分の事を見逃してはいけない。記憶にとどめておいて、試合中大いに攻撃する。
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