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テニス戦略ノート① byマルセル・ガウチ(本の要約記事)

1.集中力(ボールに心を奪われろ)

集中力とは、一つのことを遂行するために、その他のことを「無視する」能力のこと。


そして目的に向かって、さらに自分の能力を絞り込んで発揮していくパワーのこと。


テニスにおける集中力とは、「ボールを追い続ける」ことに専念すること。


ボールが相手のラケットから離れた直後から、ヒットする瞬間まで、その他のことを一切自分から追い払い、ボールを見詰めること。


その他のこととは、例えば相手のこと、観客のこと、その前のミスのこと、天候のこと、そして自分自身のことなど。きわどい場面では、この集中力が勝負の明暗を分ける鍵になる。


きわどい場面で、ジャッジが不利な判定を下した時に、その次のショットを、いつもと同じリズムで打てるだろうか。


集中力の有無はこんな時に明確に問われる。自分の外にあることに心を奪われることなく、ボールの行方だけに集中していれば、勝つことができる。マッチポイントや大事なポイントで、ボールに心が集中していないことがよくある。


心は「勝つか、負けるか」という、先の結果の予測に専念してしまうことが多いい。それが緊張を招き、肝心の集中力がボールに向かってターゲットを絞り込んでいないために、ボールをよく見ることを忘れ、次のショットで全能力を発揮することが不可能になる。


こういう時こそボールに集中すること。集中すればするほど、無意識の内にリラックスできる。


ビリー・ジーン・キング夫人は、10分間ボールを見つめ続ける訓練をしていて、サーブを打つ前にボールを見詰め集中力を高めていた。


相手とゲームをよく観察し、分析することも大切。そうすれば、次にくるボールの方向と深さの予測が可能になる。


そのためには、相手の事を知ることが先決。相手は、ラインぎりぎりからのバックハンドをマスターしているだろうか?ロブを使ってくるだろうか?浅いボールの対処法は?など。


相手の習性を分析すれば次のボールへの戦略が容易に立てられる。相手の習性をつかむには、よく見ることしかない。


相手の足の向きや動かし方、ラケットの動きの癖、左手のポジションなど、これらの要素でも相手のショットの予測は可能。しかし、これに気を捕らわれすぎてはいけない。相手が打ったら、集中力のターゲットはボールに戻す。


2.位置

素早く反応すること。相手のストロークを素早く見極め、間髪を入れずにこれに対応した行動を取る。その一つが「走る」ことだ。そしてボールを返したら直ちに的確な位置に戻ること。



集中して早く動くこと。相手が打つのをぼんやりと見ているから、反応する時間が不足することになる。あわてないためには、相手の動き、ラケットの動き等を集中して観察し、分析すること。


そしてボールが打たれた瞬間に、行動を開始する。ボールに全神経を集中しながら動く。相手のゲームの習性を知っていれば、当然、対応時間にも余裕がでる。



カカトを着かない。左でも右でも直ちに動けるように、自分の足のボール(親指の付け根の盛り上がった部分)の上に体重をかけていること。そして、いつでも飛び出せるように膝を曲げておくこと。



打ったらすぐ戻ること。打ったボールに見とれてないで、打ち終わったら「コートの中心」に直ちに戻ること。そうすれば、あらゆる相手の攻撃に対して、常に最大の確立で守備できる。

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