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「LADY」 感想

新曲のMVが公開されたので、曲の具体的な感想を記すことにする。

まず配信リリースで聞いた時は、浮遊感があると感じた。

ひたすら深く青い空の中で、自由に動くことができそうなイメージ。

特に、ラスサビの「踊りつづける」というフレーズにはエコーがかかっており、より一層浮遊させてくれる感覚がある。

ピアノの音もはっきり聞こえる。

MVは、とにかく遊び心があって面白い。
道路の白線を平均台のようにバランスを取って歩いている姿には、米津さんの体幹の強さとバランス感覚の良さが垣間見える。

今回は空中浮遊はしていないが、白線が浮き上がって立体になっているところに「空想」の要素がある。(そもそも車道の真ん中を歩くこと自体が空想だ...)

そして所々に今までの楽曲を連想させる要素が盛り込まれているのも魅力だ。

ショッピングカート - ピースサインのアー写
          駄菓子屋商売(歌詞)
コンテナ - KICK BACK
重力の変化 - M八七
所々の動きの風味 - LOSER
         アンビリーバーズの狼人

動きの風味は無意識かな。

また、LOSERのラストの力ない笑みと対照的で、本当に心から楽しそうにふわっと笑っている。「感電」の馬鹿笑いでも、「死神」の悪戯っぽい笑みでもない。

ラスサビ、寝転がっている米津さんが起き上がると、子供たちがどんどん散っている光景が目に映る。夕方になって子供たちが四方八方に走り去る様子を、少なくとも幼き日の米津は寂しく感じたであろう。
それと同時に夢の終わりを意味する。

さて、現実に戻った私たちは、再び日常生活を送ることになる。

インタビューから分かるように、LADYは夜ではなく午前の風景、転調なし、など米津さん自身にも変化を付けた歌なのだ。

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