2024.06.20

朝になると脚が痛い。しかしながら一日を過ごすことによって痛みが消える。
そんな日々を半月ばかり繰り返し、脚どころの騒ぎじゃないぞと病院に行った。

朝9時。

会社に通院後出社する旨を伝え、病院の窓口に向かうと「3時間かかりますよ」と言われた。背に腹はかえられぬ。会社に「昼過ぎになります」と伝え待合室の椅子に座った。

整形外科には右を見ても左を見ても老人しかおらず、知らない間に私も置いてしまったのかと思った。座っている私を見る、後からやってきた老人たち。誰かの付き添いだと思われているだろうか、変わってくれなどと言われたらどうしよう。若いのに座ったままなんて図々しいと思われるだろうか。勝手な糾弾に頭を痛くしながら、何かすることもできないまま時が過ぎるのを待つ。

待合室の壁には柔道教室のポスターが貼ってあった。小学生の男女が型を構えた写真がコラージュしてある。女の子が手前に配置されていて「強さの前に性差はない」アピールに見えた。見えてしまう時点で私の中にも相当穿った認知があるなと思って嫌になるね。ポスターを隅々まで見ているとホームページのURLの中に「bigboy」の文字列があることに気がついた。元より男児に向けたものにかわりがなかったということか、ハンバーグが好きすぎるかの二択だろうなと思った。

「○○さん」

やっと呼ばれて手を上げる。一般的なスピードでは流石に処置室に向かうことが出来ず、牛歩で向かうのだが看護師はすたすたと先に行ってしまう。早く来いよと言わんばかりの目線が気になって仕方がなかった。

触診を受け、痛みの場所を確認されている間「あっ、痛いです! 痛い痛い、あぁ、痛いですね、痛い!! 痛い、痛いですね!!はい!!」としか言えない時間があって相当滑稽だった。
病院内でマスクをしなければいけない時代でよかった。

ころころ転がされながらレントゲンも撮り、最終的に椎間板と骨盤が悪いことが分かった。
5つあるうちの椎間板の下二つが半分以下の厚さになっていたし、骨盤は緩くなって神経と仲良くなっているらしい。この2つが同じくらい悪いひとは先生も滅多に見た事がなかったようで困った顔をさせてしまった。私の腰が終わり散らかしてるせいでそんな顔にさせてごめんな。

週末にMRIを撮ることになった。
4月に頭が悪くてMRIを撮った。今度は腰。
上半期に2度もMRIに入ることがあるか?

初めてのMRIはまだ寒い日だったこともあって、ヒートテックを着て行ってしまった。撮影前に下着だけを脱いで、元々着てきたトレーナーを着直した。
人を待たせてしまっているという焦りから急いで処置室に向かうと、説明を聞いている最中にトレーナーを前後ろに着てしまったことに気がついた。「元々こんなんですよ」みたいな顔をして襟元をぐっと下にさげた。タグの縫い目がハッキリ見えるデザインだった。多分バレていた。

頭の撮影だったこともあって頭部を固定する器具のようなものを付けられて機会の中に入っていった。ロボットのコクピットのようだと経験者から告げられていたけれどまさにといった感じだった。

暫くして音が鳴る。寝てもいいと言われたけれど流石に無理な音量の機械音が私の周りを回っていく。

ガンガンガンガン

ドンドンドンドンドン

ピーピーピーピー

セッションするみたいに重なっていく音が楽しくなって、踊り出したくなってしまったところで「動くと撮り直しです」と言われたことを思い出して、頭の中だけで愉快に踊っておいた。

MRIは踊れないことだけが本当に苦痛だ。
皆も覚えておくといい。


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