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きつねの映画館

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観た映画の感想記録。なあ君、映画館を享受せよ。光も闇も満ちに満ち、ポップコーンだってあるんだ。
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#映画感想文

『マッドマックス:フュリオサ』

貴種流離譚としてMAXな出来。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚であるため前作で…

傘籤
3週間前
67

『異人たち』

登場人物の数は少なく、舞台となる場所もアパートと実家以外はほとんど登場しない。しゃべる台…

傘籤
2か月前
45

『オッペンハイマー』

引き裂かれるようだ。 生み出された映画に罪はない。作品を作った監督にもスタッフにも罪はな…

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2か月前
62

『アメリカン・フィクション』

風刺もりもり、盛りだくさんのコメディ映画。アメリカにおける黒人やゲイ、家族間の在り方につ…

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2か月前
42

『落下の解剖学』

ある雪山の山荘でひとりの男が落下して死んだ。これは他殺なのか、自殺なのか。夫殺しの嫌疑を…

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2か月前
46

『アイアンクロー』

実在のプロレスラー一家に起きた悲劇的な出来事をもとにして作られた映画です。フリッツ・フォ…

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2か月前
43

『パスト ライブス/再会』

三人という最小限度の人数でお話を進め、上映時間は106分という短さ。しかしショットや視線から濃厚に登場人物たちの心情を描き、情景の美しさを心に焼き付ける。そんな切なくもロマンティックな「縁」の映画『パストライブス』。 時間や場所が大きく変化していく映画なのですが、話の運び方が丁寧なので、後半に進むにつれ段々とエモーショナルな気分になっていきました。特に音楽とショットがそういうエモさに拍車をかけています。電車の中で柱を持つシーン、再会してハグするシーン、観覧車の前で見つめ合う

『デューン 砂の惑星 PART2』灼熱の砂漠に撃て、約束の銃弾を

この、ジョーゼフ・キャンベルが唱えた神話論にあてはめて考えるならば、『デューン 砂の惑星 …

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3か月前
45

『瞳をとじて』立ち現れる映画の表象

「映画についての映画」。『ミツバチのささやき』にしても『エル・スール』にしても、ビクトル…

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3か月前
78

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』プロジェクト・アース・シンフォニー

そういえばドラえもんの映画に「音楽」がテーマの作品ってまだなかったんですね。内容はどんな…

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3か月前
48

『ボーはおそれている』こんな里帰りは嫌だ。どんな里帰り?

あらあらあら、どんな映画になっているのかいまいちわからなかったアリ・アスター監督の新作で…

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4か月前
60

『哀れなるものたち』おとぎ話を伝える”威力”

美しい。 にしても美しい映画だ。画面の隅々に至るまで”世界を形成したい”という欲望があふ…

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5か月前
95

『アクアマン/失われた王国』とDCEU振り返り

『アクアマン/失われた王国』観てきました。タイトルから期待するとおり、海の中をめっちゃ泳…

傘籤
5か月前
61

『枯れ葉』たんたんと生きる、犬を連れてほのぼのと

いたってシンプルなボーイミーツガール(というにはいささか年を重ねた二人ですが)の映画。全体の雰囲気はどこかゆるく、フワっとした軽さがあり、おそらくそれは市井の人々へ向けたほがらかな視線と、ちょっとしたユーモアを大事にする作り手の、つまりアキ・カウリスマキ監督のスタイルから来るものなのだろう。 フィンランドを舞台とした本作は、理不尽な理由で職を失ったアンサと、酒に溺れ転職を繰り返すホラッパの出会い、二人が愛を育んでいく過程をゆっくりと、やさしく、愛情を持って描いた作品だ。 惹