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#メンタルエッセイ47

漢93歳

母の葬儀も終わり父は施設に戻りました。
翌朝、姉から電話がありました。
施設の深夜の見回りの時、父の横に隣の部屋のおばあちゃんが、一緒に寝ていたそうです「なにか、間違いあったら困るので姉から父に話して欲しい」と施設からの連絡があったそうです。

93歳の漢が過ちをおかすとは?
姉がそんなことあると思う?
二人とも漢ではないので分からない「まさかねー」男と女、なにがあってもおかしくないのかもねとため息。
そして二人は引き離されました。

ほどなく、父は朝の見回りの時に冷たくなっていたそうです。
誰にも看取られなく死んだ父に、今すぐにでも会いたい。
サイコパスは、お店のこともあるので明日行くと言っていました。

父は葬儀場の安置所で寝ていました。葬儀場が混んでいるとのことで
二体でシェアでした。
係の人からの説明もなく、急がしそう出ていきました。
二体とも白い布を顔にかぶせてあったので「どっちだ?」悩んだあげく手前から布を捲りました。「はぁっ」違う「ごめんなさい」と手を合わせました。
奥に安置された布を捲ると、いつもの寝顔の父。生前と変わらない父。
身内だけの葬儀でしたが、近所の幼なじみが集まってくれました。
(隣の鰻屋の同級生)も。みんな年を取り昔話に花を咲かせました。

葬儀も終わり家に帰り、家の掃除をしていました。ごみ箱のごみを片付けているとレシートがヒラヒラと落ちてきました。
レシートには客数二名、夜八時。
父が亡くなった日に会っていたとは……。
父への冒涜だと思いました。

そして、頭と心がダメになりました。

父の四十九日は、ドクターストップの診断を受け、家で手を合わせました。




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