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#メンタルエッセイ30

 聖地


最初の入院は、丘の上に建っている病院でした。一階は診察室がある病院で売店もあります。
二階は病棟です。扉が二枚あって看護師さんの鍵で出入りします。

丘の上の病院は、傾斜があり患者もお見舞いの人も自分の靴を見ながら丘を登っているようでした。
いろんな思いをもちながら。

特に冬の吹雪は大変です。お年寄り幼児を連れている人は、地下鉄の駅前から、タクシーに乗ってきます。近い距離でも運転手さんは、嫌な顔もせずに乗せてくれます。

ザビエルが猛吹雪の中、真っ白になりながらお見舞いにきてくれました。帰りがけ「タクシーで帰りなさい」とお金を渡すといらないと言い。二枚扉を開けてもらい、出ていきました。ありがとう。

その丘に公園がありました。
平岸高台公園のてっぺんが病院です。

ローカル番組で恐縮ですが『水曜どうでしょう』のロケ地でした。『水曜どうでしょう』の聖地とも言われているようです。

平岸高台公園は、私にとっても聖地で、退院近くになると散歩の時間があります。行くあてもないので公園で過ごします。

今はもうテレビ局も病院も移転してしまいましたが、私の中の病院は丘の上にまだ建っています。

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