囲碁大盤解説会の魅力
8/14(水)に行われた応氏杯決勝5番勝負の2局目を日本棋院で大盤解説会を兼ねたパブリックビューイングで観戦してきました!
大盤解説会の魅力
大盤解説会は昨年の本因坊戦以来2回目です。今回は囲碁の大盤解説会の魅力を紹介します。
魅力1:プロ棋士の解説とトーク
14日は小林覚九段が解説されていました。プロ棋士の対局だと「この手はどんな意味があるの?」というレベルの高い応酬が繰り広げられるので、同じ土俵に立つプロ棋士の解説は分かりやすいですね。長考に入った場合はトークで盛り上がって会場が湧いたりもします。AIやダイレクト三々についてや気が付いたらプロ棋士を40年続けた!なんて話を聞くことができました。
魅力2:ビッグゲストの登壇
大盤解説会はあらかじめ司会進行役と解説者の名前が公表されていますが、サプライズとしてビッグゲストが登壇される時があります。昨年の本因坊戦を観戦した時は会場が神田で、日本棋院のある市ヶ谷と目と鼻の先だったせいか多くのプロ棋士が登壇されていました(個人的にボルダリング帰りの張栩九段が印象に残っています)。14日も一瞬だけ芝野虎丸名人が登壇されて、この時も会場が湧きました。
魅力3:交流の場になる(一体感を得られる)
14日は会場にいる全員が一力棋聖を応援していたので一体感が凄かったです。通常の国内タイトル戦ではあそこまで一体感は得られないと思いますが、白148の割り込みとその解説を聞いた時は会場がどよめきました。また、会場が日本棋院だったため大会や書籍などの情報を得ることができました。来月の連休に団体戦があるので出場するかもしれません。
大盤解説会の難点
同時に大盤解説会の難点も挙げてみます。
難点1:タイムパフォーマンスが良くない
去年の本因坊戦を観戦した時に感じましたが、タイパは良くないですね。
13時開始としてヨセまでもつれれば対局が終わるのが18時過ぎることもあります。今はネット中継もされているので、移動も考慮するとわざわざ大盤解説会に足を運ぶのはタイパが良くないと感じる方も多いかもしれません。
難点2:結果が判明するまで時間がかかる
応氏杯は中国ルールのため少し日本ルールと整地の方法が変わります。
中国ルールの整地は時間がかかり、終局してから結果が判明するまで30分以上かかりました。14日の2局目は一力棋聖のリードが明白でしたが、1局目は最小僅差だったため結果が出るまでモヤモヤする時間が長かったのではないでしょうか。
難点3:AIの評価値に一喜一憂する
囲碁の欠点として途中経過も分かりにくい点があります。それを改善するためAIの評価値が画面表示されていますが、この評価値に会場が振り回されます。応氏杯は持ち時間が特殊で、時間を使い切ると1回35分を2目で買います。14日の一力棋聖は上限の3回買ったため6目損をしている計算になります。この損をAIは考慮していないため評価値の過信は禁物でした。また持ち時間の表示が分かりにくかったので、見やすくして欲しいですね。
難点も挙げましたが、個人的には年に1回くらいは大盤解説会に参加したいし、それくらいゆとりを持ちたいですね。
応氏杯3局目は9/8(日)
応氏杯決勝の3局目は9/8(日)に決まりました。5番勝負を連勝という最高のスタートを切った一力棋聖。あと1勝で悲願の日本勢19年ぶりの世界一ですが、思わぬ敵が出現しそうです。
この記事が参加している募集
サポートありがとうございます。微力ながら囲碁の普及に貢献したいと考えています。サポートは棋書や囲碁の遠征に使用させて頂きます。他にも囲碁の記事を投稿しているので、読んで頂けると嬉しいです。