2022年の囲碁界7大タイトルを振り返る
2022年も残り2週間となりました。
この記事では、今年の囲碁界の七大タイトルを振り返ります。
主な登場人物
井山本因坊
七大タイトル独占する快挙を二度達成した現日本囲碁界最強の棋士。
カド番で無類の勝負強さを発揮し、付いたあだ名が「魔王」。
2022年始の時点で棋聖、本因坊、碁聖、名人、王座の五冠を堅持。
3度目の七冠も夢ではありませんでした。
令和の三羽烏
一力プロ、芝野プロ、許プロの3人の総称。
長く停滞した日本囲碁界に現れた期待の若手。
2021年は相次いで井山先生にタイトル戦を挑みましたが、ことごとく防衛されてしまいました(しかも最終局まで縺れた挙句逆転される)。
2022年の囲碁界7大タイトルを振り返る(時系列順)
1.棋聖戦 井山棋聖vs一力九段
井山棋聖の10連覇がかかったシリーズで、最終局まで縺れました。
何度目かの正直でやっと一力先生が井山棋聖を破りタイトルホルダーになりました。
2.十段戦 許十段vs余八段
許十段が余八段を3連勝で下し連覇となりました。
来期の挑戦者決定トーナメントはベスト4まで進んでいます。
準決勝は一力先生vs井山先生、芝野先生vs余先生なので、農心杯に参加した日本代表が残っています。
3.本因坊戦 井山本因坊vs一力棋聖
棋聖に続いて本因坊まで失うと一気に囲碁界の勢力図が塗り替えられるので注目していました。
1局目から歴史的な手数になりましたが、井山先生が最小僅差で勝利しそのまま4連勝で防衛に成功しました。
4.碁聖戦 井山碁聖vs一力棋聖
本因坊戦の勢いそのままに井山先生が一番先生に3連勝し防衛しました。
5.名人戦 井山名人vs芝野虎丸九段
このシリーズも最終局まで縺れました。
最終局が文化の日に行われたので、ネット観戦したのを覚えています。
カド番の鬼である井山先生が棋聖に続いて最終局を落とし失冠しました。
6.王座戦 井山王座vs余八段
棋聖に続いて名人の座まで明け渡してしまった井山先生でしたが、王座戦は余八段相手にストレートで防衛しました。
このころから仕事が激務になり、ゆっくり観戦した記憶が無いんですよね…
7.天元戦 関天元vs伊田九段
井山先生と三羽烏が出場しなかった今年唯一のタイトル戦です。
伊田九段がタイトル戦通り初手天元を2局披露してくれましたが、結果は関天元が防衛しました。
七大タイトル結果(新タイトルホルダーを太字)
棋聖 井山棋聖→一力棋聖
十段 許十段
本因坊 井山本因坊
碁聖 井山碁聖
名人 井山名人→芝野名人
王座 井山王座
天元 関天元
井山棋聖vs令和の三羽烏を振り返る
今年タイトル戦に限った井山先生vs令和の三羽烏の結果は井山先生の13勝8敗(勝率62%)でした。
去年が58%だったので上回りましたが、棋聖と名人を失ってしまいました。
来年の予想としては、井山先生vs令和の三羽烏の構図から令和の三羽烏どうしでタイトル戦をする機会が多くなりそうです。
7大タイトルを5人で分け合い、誰が覇権を取るか予想が難しいです。
実際、2023年1月に開幕する棋聖戦は一力棋聖に芝野名人が挑戦します。
令和の三羽烏に井山本因坊や張栩九段などの平成四天王が意地を見せることができるか注目して、来年も観戦して勉強しようと思います。
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