外壁の修理は火災保険で補償可能か?保険適用の条件について紹介
外壁が破損してしまったときには、早急に修理したいと思うときが多いでしょう。自宅の壁に車が衝突してきて崩れてしまうようなトラブルに見舞われると、慌てて直したいと思うのは当然です。
家の外壁が壊れてしまって修理しなければならない状況にも色々なパターンがありますが、どのようなときには修理代を確保できるのでしょうか。
一般的な火災保険の事情を踏まえて、自分の場合にはどうなのかを判断できるようになりましょう。
自然災害による外壁の破損は対象
外壁が破損してしまったときに修繕費用を火災保険でまかなえるかどうかは原因によって異なります。
まず、原則に立ち返って考えてみると、自然災害が原因で外壁が壊れてしまったときには適用可能だとわかるでしょう。火災保険はもともと火事や自然災害によって被害を受けたときに補償を受けられる仕組みになっているからです。
・台風や強風などで物が飛んできて外壁に傷がついた
・落雷によって壁にひびが入った
といったケースであれば、火災保険の保険金を請求すれば支払いを受けられるでしょう。
一方、外的な要因がないのに外壁の修理が必要になることもあります。
・経年劣化によって外壁塗装が劣化した
・紫外線などの影響で壁に歪みが生じてしまった
このように、自然に壁が劣化したのが原因で修繕が必要になった場合には火災保険は適用されません。
以上のような原則を念頭に置いて、車が衝突してきたようなときにはどうなるかを考えてみましょう。
車の衝突などによる破損も対象になる
結論としては、車の衝突などによって壁が破損したときの修繕費用も火災保険の対象になります。
火災保険は「予測し得なかった事象による建物や家財に起こった被害への補償」という位置付けで補償範囲が広くなっています。建物の外から何かが飛んできたり、衝突したのが原因で起こった建物や家財についても、火災保険の補償範囲に入れることが可能です。
外からやってきた物なら、基本的には何でも対象になります。乗用車やトラック、バイクや自転車ももちろんですが、野球のボールが飛んできたような場合でも損害が生じれば火災保険を使って修理することができます。
落下物についても同様で、
・家の前で電柱の工事をしていたときにスパナなどが落下して壁に傷がついてしまった
というときにも補償されます。
また、衝突による破損が自分の不注意によるものだったとしても問題はありません。
・うっかり車のギアをバックに入れたままアクセルを踏んでしまって家の壁に激突してしまった
というときにも適用できます。
ただ、故意で行った場合には適用外になるので、あくまで不注意だったことを示す必要があります。また「庭で外壁にサッカーボールを蹴って壁当てをしていたら外壁塗装が剥げてしまった」という場合にも火災保険を使うことはできません。
参考:火災保険の対象になるあれこれ(株式会社プラテンより)
対象範囲は契約内容の確認をする必要がある
火災保険は確かに建物外部からの物の落下、飛来、衝突などによる被害を補償範囲としていますが、本当に補償対象となるかは契約内容次第です。
火災保険は自由度が高くなってきていて、補償外に外す項目を増やして保険料を安くする人も多いものです。「衝突などによる被害を受けることなどあまりないだろうから、火災や自然災害の対策だけで良い」と補償範囲から外してしまっていると当然ながら申請しても支払われることはありません。
保険会社に連絡をする前に契約内容を参照して、自分の契約しているプランが物の飛来や衝突による被害をカバーしているかどうかをチェックしましょう。
外壁以外も確認が必要
車が家の外壁に衝突してきたようなときには、大きな損害を受けてしまっている場合もあるでしょう。見た目では外壁が少し崩れただけのように見えても、実は壁の内部に亀裂が入っているかもしれません。
また、家全体に衝撃が走ったことによって、
・屋根瓦がずれてしまった
・備え付けのエアコンが壊れてしまった
・配管にひびが入ってしまっている
などの損害を受けている可能性もあります。
さらに大きな被害の場合には家の床が歪んでいたり、衝突に遭った壁の内側に置いてあった家電が故障したりすることもあり得ます。
火災保険を申請するときには家全体の点検をして、どれだけ被害があったかをまとめましょう。そして、全ての修理の見積もりを取ってから火災保険を申請して修理するのが良い方法です。
ただし、家電が壊れたときなどには家財が補償範囲になっていないと適用できない点には注意して被害額を算出する必要があります。備え付けでない家の中のものはほとんどが家財になるので、補償範囲に家財が入っていないときには気を付けましょう。
まとめ
外から突然、車が衝突してきたり、ボールが飛来してきたりして壁などが壊れることはあり得ます。
この場合は建物の外からの落下、飛来、衝突による被害を火災保険の補償範囲に入れていれば修繕費用をまかなうことが可能です。自然災害だけでなく、物がぶつかったことによる破損も補償対象になるのは押さえておきたいポイントです。
大きな被害のときには外壁に限らず、家全体をチェックして全て被害として申請しましょう。
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