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火事のさいに隣への放水で自宅が被害にあった場合は火災保険も適用されるのか?近隣での火災が起こった際に注意するべき項目を紹介

隣の家やビルなどで火事が起こったときには、自宅が被害を受けるリスクがあります。もらい火をする場合もありますが、消火のための放水で自宅がびしょ濡れになってしまうこともあるでしょう。

このような近隣の火事が原因で被害に遭ったときには、自分が加入している火災保険を適用して修繕できるのでしょうか。火災保険を使うために何をチェックして置いたら良いのかを理解しておきましょう。

消火放水による被害は保険適用

火災保険は火事に対する補償なので、延焼による被害を受けたときには損害保険金を受け取ります。

近隣の建物が火事になって自宅も燃えてしまったときだけでなく、以下のようなケースでも補償を受けられます。

■燃え上がった建物の熱で外壁が焦げたり変質したりしてしまったとき
■火の粉が降り注いできて屋根に穴が開いたとき

ただ、近隣で火災が発生したときには他にも被害を受けるリスクがあるので注意しましょう。その火災に付随して被った損害についても補償対象になる場合が多いからです。

火事が発生すると消防署が消火活動を行います。その際の放水による消火は必ずしも火災に遭っている建物だけでなく、周りにも被害を及ぼしてしまうことが少なくありません。この消火放水による被害は火災保険の補償範囲内に入るので、修繕をするときには申請して補償を受けましょう。

建物と家財の補償範囲に注意

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放水によって受けた損害を火災保険で補償してもらうときには、補償範囲に注意が必要です。

火災保険の内容を確認してみると、以下のいずれかになっているはずです。

■建物のみ
■家財のみ
■建物と家財の両方

この内容によって、補償を受けられる損害に違いが生じます。

たとえば、以下のようなケースは建物への被害です。

・放水によって壁が汚損してしまった・ひどい臭いが付着してしまった
・放水が外れ、その水圧で窓ガラスが割れてしまった
・壁や床がびしょぬれになって張替えが必要になってしまった

窓ガラスや壁、屋根などの建物の構造部分であれば、全て建物が補償範囲になっていれば保険を適用できます。室外機やアンテナなども建物の一部として取り扱われるので、水を浴びて故障した場合には火災保険で修理しましょう。

一方、建物の中の備品などは基本的に家財が補償範囲に入っていないと火災保険を適用できません。たとえば以下のようなケースは、家財が補償される契約になっていれば損害保険金が支払われます。

・テレビや冷蔵庫などが放水の影響で壊れてしまった
・タンスやクローゼットが濡れて中の衣類ごと酷い状況になってしまった

このような影響で一方しか補償範囲に入れていないときには、取捨選択をして申請する必要が生じます。火災保険を利用するときには注意しておきましょう。

参考:給付金額の例などが記載されたサイト

近隣での火災でチェックすべきポイント

近隣で火災が発生して被害を受けたときには、どのようなものだったとしても火災保険を適用できる可能性があります。

家の中は特に被害がなかったように見えても、外壁や屋根に火の粉が降り注いでいる場合や、放水によって庭がひどい状況になっている場合もあります。家の外は何か変化が起こっていても見過ごしてしまいやすいので、近隣で火災があったら家の周りを一通り見て回りましょう。

また、大きな被害があったときには火災保険の内容や特約をチェックしてみるのも大切です。保険会社によっては臨時宿泊費用の支払いを受けられる場合があります。

家の中が水浸しになってしまったようなケースでは修繕のときに住みながら工事をしてもらうことが難しいでしょう。その際の仮住まいの費用も火災保険から支給してもらえる可能性があるのです。

契約時点ではあまり気にしていない人も多いので、補償内容は隅々まで確認してみるのが大切です。

失火責任法の影響で損害賠償は無理

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消火放水による被害を受けたのは隣人の影響だから、隣人に損害賠償を請求して修繕すれば良いのではないかと思う人もいるでしょう。しかし、隣人が不注意で火を出してしまったとしても、失火責任法の影響で損害賠償を請求することはできません

意図的に火事を起こしたときや重大な過失があったときには損害賠償を請求できるケースもありますが、通常は自分で家の修繕をしなければなりません。そのため、火災保険を積極的に活用するのがとても重要になります。

近隣での火災による被害は状況がはっきりとわかるので、保険会社も比較的スムーズに申請を通してくれます。申請手続きには手間がかかるのは確かですが、被害が大きいときほどメリットも大きいので有効活用しましょう。

まとめ

近隣で火災が起こってしまったために自宅が被害を受けることは多かれ少なかれあります。その際に受けた延焼や消火放水などによる損害は、ほとんどが火災保険の対象になります。

損害保険金を受けられる被害の内容は契約のときに決めた補償範囲によって違いがあるので、もし被害を受けてしまったら内容をあらためて確認しましょう。

また、周囲で火災があったときには気づかないところで被害を受けている可能性があります。周辺で火事が発生したら家の周りを一通り確認して、本当に無事だったかどうかを見極めましょう。

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