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自動車保険のコストと電気自動車(CFACTの記事)

写真出展:TumisuによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/tumisu-148124/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=1991214

 2023年8月10日にCFACTは、電気自動車と自動車保険との関係に関する記事を発表した。内容は、電気自動車の構造的な欠陥などによる自動車保険の高騰が、電気自動車普及の障害になる可能性を指摘するものである。
電気自動車についてはリチウムイオンバッテリーの火災や寿命の短さなど、ネガティブな側面が語られるようになってきたが、それでなお日本は情報鎖国状態にあり、電気自動車が世界の主流になっていくと勘違いしている人が多い。今後の自動車産業の行く末を見通す参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Will insurance costs derail the EV revolution?)
https://www.cfact.org/2023/08/10/will-insurance-costs-derail-the-ev-revolution/

1.本記事の内容について
 ・7月27日オランダ沖において、エジプト行きの貨物船で火災が発生したが、この船は498台の電気自動車を運送していた。当初オランダ海上保安庁は25台しか積載されていないと発表していたが、実際には数多くの電気自動車が積み込まれており、火災の主たる要因となったのである。今回のような損失は、世界規模で見ればもちろん小さなものである。しかし最終的な損失を計算するには、環境破壊、人命救助、消防、沈没船の引き上げなどの要素を加味して考えなければならない。
 ・では、今回のような事故は滅多にないことだと捨象してしまってよいのか。1年前に発生したフェリシティエース号の火災では、1台当たり50万ドルのランボルギーニが15台、1,117台のポルシェ、1,944台のアウディ、561台のフォルクスワーゲン、189台のベントレー、その他ランボルギーニの70台が失われた。1か月前の火災では、10階に積載された5~7台の電気自動車が出火し、11階と12階に急速に拡大し、2名の消防士が死亡した。このような大規模な被害は、電気自動車の構造に問題がある。
 ・自動車メーカーは鉄や金属部品をプラスチック製に移行しており、大規模火災が発生すると、プラスチックから化合物が生成されて大気中に流入することになり、がれきだけでなく自動車の燃料や難燃性の毒物が海に放出されることとなる。こういった汚染物質が海の生態系に与える影響は計り知れない。
 ・車両保険についても相当な損失になる。フェリシティエース号の火災で失われた4,000台の車両1台当たりの保険料が平均8万ドルだったとすると、3200万ドルもの損失が発生することとなる。電気自動車の懸念は火災だけでなく、交通事故も深刻である。例えば電気式のピックアップトラックは、軽度の物損事故だけでも4.2万ドルの修理費用が必要となるが、保険で賄われるのはたった1,600ドルである。これはトラックの板金が後ろから前まで1枚物となっており、内装からフロントガラスまで分解しないと修理ができないためである。板金だけでなくバッテリーも脆弱であり、衝撃を受けると保険上はほぼ全損という扱いにされてしまう。
 ・その他、電気自動車をけん引する際、車を完全に積載できるトラックが必要であり、道路に後輪が触れている状態などでけん引すると故障の原因にもなりえる。これも車両保険高騰の一因となっており、ただでも高額な電気自動車に維持費がかさむことになるのである。こういったコストは、消費者が忌避する差異たる要因であり、自動車メーカーも電気自動車の売れ残りで多大な損失を発生させている。電気自動車の強引な普及政策はいつまで続くのだろうか?

2.本記事読後の感想
 今回の記事は、保険料という観点から電気自動車の非現実性を概観したものであり、車両本体価格のコストだけでなく、維持管理費用も相当な金額になることを示している。電気自動車は部品が少なく、手間がかかりにくいイメージがあるかもしれないが、電気の貯蔵できないという性質を克服するために、技術的に高度かつ困難な製品を導入せざるを得ず、結果としてイレギュラーに対応することができないという脆弱性が生じることとなったのである。
 少しずつ電気自動車の不都合な真実が情報として出るようになってきているが、日本では圧倒的に電気自動車推進側の情報が蔓延している。こういった情報鎖国状態から脱却できなければ、何度も海外のルールテイカーとして不利な状況に追い込まれる。基本的な科学リテラシーを身に付ける、これが一番の特効薬である。

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