ファーウィの5G支配に対抗する取り組み(ハドソン研究所の記事)
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ハドソン研究所の2021年3月17日の記事で、アメリカのファーウィ5G対策について取り上げられていた。今のところ成功しているという評価であるが、今後の展開を見据えた内容も扱っており、オープンRANの可能性について述べられている。日本のことについても言及されているため、本記事を紹介させていただく。
↓リンク先(U.S. Efforts To Counter Huawei 5G Dominance Making Progress: Open RAN Playing Growing Role)
https://www.hudson.org/research/16763-u-s-efforts-to-counter-huawei-5-g-dominance-making-progress-open-ran-playing-growing-role
1.記事の内容について
・アメリカの経済制裁により、ファーウェイのスマートフォン売り上げは世界第5位にまで低下した。インフラ施設の売り上げも激減しており、ノキアやエリクソンを下回ることになった。
2021年には世界市場の約6割が中国企業の技術利用を制限した。この意味では、アメリカの取り組みは成功している。
・ただ、それでも中国の攻勢はあなどれない。東南アジアの重要な地域では40%、南米では34%のシェアを占めている。アフリカでは70%の4G基地局を支配しており、5Gサービスへの移行に足場を固めつつある。
・更なる対抗措置として、オープンRANを推進する必要がある。アメリカ議会は7億5000万ドルの予算を承認し、ヨーロッパでは20億ドルの支援予算を発表し、イギリスは3億5000万ドルの予算を承認した。
・オープンRANを最も稼働しているのは、楽天である。NECだけでなく、アメリカのアルティオスター、システムインテグレーターのシスコ、レッドハット及びクアルコムが入り込んでいる。イギリスではヴォーダフォン、ドイツ及びスペインではテレフォニカが、システムを導入している。
・オープンRANにより、運営経費が30%~50%削減されると見込まれている。
・国際的な協調も支持を広げており、EUはアメリカとの共同事業を提案し、アメリカ、日本、オーストラリアは中国製品以外のインフラを導入するよう支援している。
世界的な協調戦略を取るため、アメリカはリーダーの役割を果たすべきである。
2.本記事読後の感想
オープンRANについては、1年ぐらい前から話題になっており、ベンダーロックイン(携帯通信会社による囲い込み)に対抗する有効な手段と目されてきた。本格的に商用化され始めており、その効果も見えてきている。以外にもこの動きは日本が主導しており、NTTとNECが先駆けて推進してきた。
楽天はこの分野でかなり先行していて、世界的に注目されている。仮想化技術を活用して無線部分と無線制御部分を異なる供給業者とし、サーバー上のソフトウェアで無線を制御しており、vRANとして知られている。汎用的な機器を用いることができるため、既存の携帯通信会社に拘束されることがなくなり、大幅なコスト削減を実現することができると期待されている。
一見すると、中国の5Gを簡単に抑え込めるように思えるが、ことはそう簡単ではない。日米首脳会談の関連情報で明らかになったように、楽天は監視対象となってしまった。これは、ここ最近の携帯料金値下げで楽天が資金繰りに苦慮する状況となっており、結果としてテンセントに出資を求めたことが問題となったためである。
楽天にはアメリカの企業が複数入り込んでおり、シスコ、レッドハット、クアルコムなどの大企業が技術提供している。アメリカにとっても他人事ではないのだ。楽天側は単なる投資協定と強弁しているが、戦々恐々としていることだろう。ただこのことは、菅政権がはしごを外してしまったということも要因となっており、国内企業を懲らしめるような政策をすると、企業が苦しみ、結果として中国共産党が入り込んできてしまうのである。
楽天の監視については、以下の動画が参考となるため、ご紹介したい。思ったより根深い問題である可能性がわかる。
↓動画(松田政策研究所 特番『楽天は大丈夫か!?中国企業テンセントと業務提携・・・帳簿閲覧権も!』)
https://www.youtube.com/watch?v=qZLM05ffJa0
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