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二酸化炭素の温室効果は低い(CFACTの記事)

写真出展:Herbert BieserによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/hbieser-343207/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=970440

 2021年10月12日にCFACTは、二酸化炭素の温室効果に関する新しい論文を紹介する記事を発表した。内容は、二酸化炭素、水蒸気及び他の気体の温室効果を比較し、二酸化炭素の温室効果ガスの低さを示し、国連のIPCC第6次評価報告書の不当性を批判するものである。先日太陽の活動が与える影響についての論文について紹介したが、今回は気体に着目した論文であり、またも二酸化炭素の温室効果に異議を唱えるものとなっている。今回はその論文の概要について紹介させていただく。

↓リンク先(Climate sensitivity to CO2 lower than UN models project)
https://www.cfact.org/2021/10/12/climate-sensitivity-to-co2-lower-than-un-models-project/

1.本記事の内容について
 ・2021年8月2日に「地球平衡温度に対する、二酸化炭素、水蒸気及び他の温室効果ガスの効果について」と題する論文が発表され、二酸化炭素と他の気体との気候感度を比較して温室効果を測定した。本論文は、気候変動論者及び懐疑論者の双方からの査読を受け、最近その結果が確定するに至った。本論文によると、二酸化炭素濃度が2倍になった場合、IPCC第6次評価報告書では5℃気温が上昇するとしているが、今回の論文ではたった0.5℃しか上昇しないとしている。
 ・本論文の主席研究員であるデヴィッド・コウは、概要について以下の通りに述べている。
 「本論文の目的は、一般的な手法を用いて、個々の変数による気候感度の決定の問題にまつわる複雑性を軽減することである。主に水蒸気のスペクトル吸収効果の恩恵により、地球の大気は世界の気温を大きく安定させる作用を持つと結論付けた。従って、差し迫った気候変動危機は存在せず、水蒸気よりも温室効果が低い二酸化炭素は、地球の気温を左右するパラメーターではない。むしろ二酸化炭素は、光合成の奇跡的な作用により地球の声明を救うものである。」
 ・今回の具体的な手法について、以下のように述べている。
 「今回は強い温室効果ガスを持つと考えられる二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の気候感度の計算方法を簡略化するため、摂氏0.56度上昇させるにはどれだけの大気の吸収が必要であるかを計算し、将来の温室効果ガスの密度上昇に伴う温暖化の結果を逆算することとした。HITRANの気体スペクトル吸収データベースにより、個々の気体及び気体の組み合わせが地球放射平衡温度の288Kにどれだけ影響を与えるかを正確に計算することが可能となった。この結果、水蒸気は29.4Kから33Kの温暖化効果があるが、二酸化炭素は3.3K、メタン及び亜酸化窒素は2つで0.3Kしかないという結論に至った。このことから、二酸化炭素濃度の上昇に伴う気温上昇は0.5K程度であり、メタン及び亜酸化窒素はそれぞれ0.06K、0.08Kということになる。」
 ・他の研究者が観測に基づいて計算した所、二酸化炭素による気温上昇は0.3℃程度しかないとしており、今回の研究を裏付けるものになっている。更に二酸化炭素濃度が2倍になるまではまだ相当の期間があり、二酸化炭素由来の温暖化はあり得そうにない。国連のモデルのように5℃以上の気候感度を試算しているモデルはばかげている。
 ・査読の過程についても興味深く、大気及び海洋科学国際ジャーナルは本論文が気候変動論者から批判を受けた際に一度取り下げられたが、見事に反論して見せており、再度掲載されることになった。本誌の姿勢は賞賛されるべきものであり、このことから強固な根拠を持っていることが推察される。

2.本記事読後の感想
  今回の内容は、気候変動論者にとって非常に不利な内容になっている。満を持して発表したIPCC第6次報告書がすぐに陳腐化してしまうという、笑えない事態になっている。
  こういった状況において気候変動論者が出してくるものは、ワンフレーズのキャッチコピーや脅し文句の類であり、科学的な言葉ではない。「地球温暖化は人由来である」、「二酸化炭素濃度が過去最高値である」、「今年はここ100年で最も暑かった」などの煽るような内容ばかりである。しかし二酸化炭素の気候感度という言葉は出てきておらず、他の温室効果ガスでもメタン以外は言及されることがほとんどない。二酸化炭素の温室効果はもはや所与のものとして刷り込まれており、科学的に否定的な見解が出て来てももはや関係ないのである。
 こういったことに対抗していくためには、我々が賢明になるしかない。日本でこういった論文を紹介している人にはほとんどお目にかかれないが、キャノングローバル研究所の杉山大志さんだけは、有益な情報を発表してくれている。noteにおいても紹介してくれている人がいるため、検索してみて欲しい。

  今回の論文は、以下のリンク先から入手可能である。
  ↓The Impact of CO2, H2O and Other
   http://www.ijaos.org/article/298/10.11648.j.ijaos.20210502.12
   
類似の論文については、9月5日の記事でも取り扱っているため、参考までご覧いただければと思う。
↓二酸化炭素飽和と地球温暖化(CFACTの記事)

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