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テリーヌショコラ 割れチョコを使って


プロ野球を見ていると、野球選手の解説の中で決まって出てくる言葉というのが幾つかある。特に気になる選手についての説明で、注目したいのが"選手の持ち味"というもの。
簡単に言えば、その人ならではのプレーというのがどういうものかの説明の枕詞に使われる。お菓子作りにおいても、自分ならではのものと言えるような、良い意味でのお決まりのレシピを物にする為には反復練習しかない。

という事で苦手意識のあったチョコレートを使ったお菓子だからこそ、自分の定番にするべく今日も作ってみることに。

前回はレシピへの憧れもあったので、富澤さんのクーベルチュールチョコレートというとても溶けやすいチョコレートに助けて貰っていた。


始めからダイス状になっていて
溶けるのも早いクーベルチュールチョコレート


でも、普段着的に練習も兼ねてのテリーヌショコラなので、今回はスーパーで手軽に手に入れられる割チョコを使う事にした。

割チョコが余っていたので、ミルクとビターを半分ずつ
まずは細かく切る所から。
細かく刻むのが面倒な人も、そうでなくて一生懸命でも疲れてきて最後は粗くなってしまいがち。チョコレートの刻みが粗いとどうなってしまうかを調査する為に左端に1センチ幅ぐらいのチョコレートを残して作り始めてみる。
割チョコはこの始めの所を適当にすると、後から丁寧にしようとしてもつまづいてしまう事があるから、作り始める前に休憩しながらでもいいから最後まで細かく刻んでおきたい。


作り方は前回と同じ(振り向かせてみたいチョコレート)だから、湯煎のためのお鍋の準備も慌てない。

割チョコも細かく刻んでいると、割と溶けやすい
全体的に順調に溶け始めてきたけれど、端っこの大きな部分はまだまだ時間がかかりそう
お隣に温めて待機している溶き卵が固まらないように、時々お鍋を揺すって混ぜるのを忘れないように気をつけながら


ここまできても溶けてくれない大きな塊。
ここで混ぜ過ぎても、火を強くし過ぎてもチョコレートに良くないから、最初が肝心だったなぁと思いながら混ぜていく
全体的に滑らかに溶けてくれたので
泡立て器に持ち替えて。
その時に、ゴムベラのチョコレートはなるべくきれいに取っておくと、洗い物をする時にラクになるので、ここは落ち着いて綺麗にしておきたいところ。
お砂糖を少しずつ
溶き卵が入るともったりとしてくる。
混ぜ過ぎないように気をつけながら
生地の出来上がり


用意していたパウンド型に流し入れて
型をトントンと音をさせる感じに落とすと生地の表面が平らになってくれる
焼き上がり


でも、この間作った時にテリーヌショコラは少し日にちを置いた方がしっとりとした仕上がりになったので、本当の出来上がりはあと二日は欲しい所かも。

✴︎
そして、翌朝。

端を切り落とした時に包丁を温めなくてもスッと入っていったのでクーベルチュールチョコレートと割チョコの違いを仕上がりでも意識し始める。
抜き型から簡単に取り出せた所からも油分の違いは想像できる。前回までは冷蔵庫から出して直ぐには取り出せなかったのが今回はスルリと無理なく取り出す事ができた。
カットした横から見た所。
生地の表面にカリッとした所がまだしっとりしていないので焼き上がり間もない事が見た印象でもわかるのに、クーベルチュールチョコレートの二日後のように生地が馴染んでいる。


割チョコで作った生チョコ

割チョコで生チョコを作った時にも思ったのは扱いが簡単で、仕上がりも手加減の影響をクーベルチュールチョコレートより受け難いのかなということ。

テリーヌショコラもクーベルチュールチョコレートで作った時より、翌日に柔らかく仕上がっているので、直ぐにプレゼントでお渡ししたい時にも便利な素材だと思った。

ここからは好みのお話になるけれど、ほろ苦さや濃厚な食べ応えが欲しい場合はクーベルチュールチョコレートの方が向いていると思った。
割チョコの扱いやすさは油分の多さの影響なのか生チョコを作った時も仕上がりを冷蔵庫から出してすぐから柔らかい食感だった。
クーベルチュールチョコレートで作った生チョコは頂く前に常温に戻して30分は置いておきたい気がする。出して直ぐでは噛み応えというより固くて食べ辛かった。

クーベルチュールチョコレートで作った生チョコ


でも、以前にチョコレートの本場のベルギーの人がテレビでチョコレートの食べ方というのをお話されていた時、口の中に含んで30秒くらいは鼻から息を出しつつ香りをまず楽しんで、その後頂くというように説明されていたのを思い出すと常温に戻すより御作法通りに頂く方がいいのかもしれないと思った。

扱いの難しさと価格の高さがあるから、ではクーベルチュールチョコレートで作らない方がいいのかとなりそうだけど、自分の仕上げたい感じに調整する事ができるのはクーベルチュールチョコレートのように思った。

逆に言えば、割チョコは扱いが簡単な分、決まった味になってしまう。手加減の影響を受け難いというのは、手加減を加えようとしても調整し辛いという事かもしれない。

まだ、チョコレートをよく調べていないので、ザックリと調べたカカオと油分の量の違いを作る時と頂く時に感じたままに書いただけになるけれど、割チョコにマンゴーパウダーを入れた時に副材料によくある10gでは風味を感じ辛かった事と、検索したレシピでホワイトチョコレートに同じ割合で作られた時にやはり風味が足りなく思うと感想を見かけたので正解に近付いているのではないかと思う。

手加減のマスターの為だけではなくて、クーベルチュールチョコレートにマンゴーパウダーを同じ10gを入れて生チョコを作れば、油分の違いを体感的に理解出来たと言える気がしてきた。

まだ、ホワイトチョコレートもナッツやドライフルーツを入れたレシピも、ガトーショコラも作ってはいないけれど、そんな風に言ってみたくなっている。



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