【収益考察】hololive SUPER EXPO 2024 & hololive 5th fes.
はじめに
2024年3月16日~17日、カバー株式会社が運営するホロライブプロダクションの大型イベント「hololive SUPER EXPO 2024 & hololive 5th fes. 」が幕張メッセで開催されました。
当記事ではweb記事やSNSの発信情報を基にイベント規模・収益の考察を行います。
※当記事内で記載している内容は必ずご自身で正確性・信憑性をご精査ください。また、当記事の内容によりいかなる不利益を被ったとしても一切の責任を負いません。投資をする際は必ず自己責任でお願いします。
①開催規模
東洋経済オンラインの記事「Vチューバー事務所、大盛況「フェス」で意外な明暗」によると、2日間の推定来場者数は約86,000人。
昨年の来場者数約45,000人と比較して約191%増と規模を大幅に拡大していることが分かります。
内訳はSUPER EXPO 2024来場者数が約30,000人、5th fes.来場者数が約56,000人となっています。
②開催概要
SUPER EXPO 2024
幕張メッセ展示ホール4~8(5ホール分)を使用
推定来場者数:約30,000人(各日約15,000人)
5th fes.
幕張メッセ展示ホール1~3(3ホール分)を使用
1日2公演×2日間=計4公演
推定来場者数:約56,000人(各公演約14,000人)
参考ポスト
③各イベント推定収益
SUPER EXPO 2024
会場チケット価格は税込4,400円
推定販売数 約30,000枚 × 4,400円=約1億3,200万円
ホロスターズ 「イチ推しトーク!」
会場チケット価格は税込1,100円
推定最大販売数 約690枚 × 1,100円=約76万円
5th fes.(現地)
会場チケット価格は税込9,800円(1公演)
推定販売数 約56,000枚 × 9,800円 = 約5億4,880万円
5th fes.(配信)
配信チケット価格は税込6,500円(1公演)
※4公演通し配信チケット価格は税込25,000円
推定販売数 約14万6,400枚 × 6,500円 = 約9億5,100万円
公演の配信概要について詳しく纏められているnote記事がございました。
参考にご紹介させていただきます。
④現地物販、飲食関連、スポンサー収益他
EXPO 2023・4th fes.におけるチケット外(現地物販、飲食関連、スポンサー収益他)推定収益は約10億5000万円。
・現地物販
1人平均単価①12,000円~②15,000円と想定
①8万6,000人 × 12,000円=10億3,200万円 ①5万6,400人 × 12,000円=6億7,680万円
②8万6,000人 × 15,000円=12億9,000万円 ②5万6,400人 × 15,000円=8億4,600万円
・飲食関連
2023年、2024年共通・・・1人平均単価2,000円と想定
30,000人×2,000円=約6,000万円
・スポンサー収益
2024年・・・計14社(想定収益約5億円~7億円)
―プラチナ2社、ゴールド2社、シルバー3社、ブロンズ7社
2023年から継続協賛・・・12社中6社(継続率50%)
2024年から新規協賛・・・8社
⑤合計推定収益
・SUPER EXPO 2024 約1億3,200万円
・ホロスターズ 「イチ推しトーク!」 約76万円
・5th fes.(現地) 約5億4,880万円
・5th fes.(配信) 約9億5,100万円
計 約16億3,256万円(税込)
計 ➊約14億8,415万円(税引後)
・現地物販 約6億7,680万円~8億4,600万円
・飲食関連 約6,000万円
・スポンサー 約5億円~7億円
計➋約12億3,680万円~約16億0,600万円
合計推定収益について
・➊約14億8,500万円+➋約12億3,680万円=約27億2,180万円
・➊約14億8,500万円+➋約16億0,800万円=約30億9,100万円
推定収益レンジ:約27億2,180万円~約30億9,100万円
⑥まとめ
期待材料
・現地物販
5th fes.ライブグッズ先行通販、EXPO 2024 & 5th fes.現地受取事前販売・当日販売によるグッズ収益が4Q売上高に反映されると想定されます。
各期決算の内訳を見ると、グッズ収益で構成されるマーチャンダイジング分野の売上構成比が最も大きく順調に収益を拡大しており、本イベントにおける最大の上振れ要因となることが期待されます。
・デジタルメッセージボード
販売価格は3,000円(画像付きは6,000円)
4th fes. & EXPO 2023デジタルメッセージボード数は17枚(概算販売数約600件)。
5th fes.デジタルメッセージボード数は51枚、EXPO 2024デジタルメッセージボード数は23枚の計74枚(概算販売数約1,500件)。
昨年比で大幅に増加していると推察され、商品の特性上コアなファンが増加傾向にあると読み取ることが出来そうです。
・海外ファン向けパッケージツアー企画の開催
海外在住者を対象に、EXPO1日分+fes1公演分のチケット+ホテル宿泊のパッケージが販売されました。(1人52,000円)
先着順のため具体的な販売数は不明ですが、現地映像を確認すると海外から訪れたと思われるファンも一定数存在し、海外展開に更なる弾みをつけることが期待されます。
不明瞭事項
・金子CFOの発言について
2024/3Q決算説明会の質疑応答において、以下の発言がありました。
5th fes.は会場規模の拡大、公演数の増加に伴い2023年比で現地チケット販売数の増加が確認されました。
そのためSUPER EXPO 2024においても会場キャパシティ拡大に伴って現地チケット販売数も増加していると読み取っておりましたが、冒頭の東洋経済オンライン記事などを参考とするとEXPOにおける現地チケット販売数は昨年とほぼ変化が無いようです。
「例年を上回るほど、前売りに対するお客さまの需要モメンタムを確認できている」という発言は、EXPOの前売りチケット応募者数が例年を上回っている、もしくは例年以上にEXPOの前売りチケット応募に対する初動が良い、などといった受け取り方が正確なニュアンスである可能性が高そうです。
・SUPER EXPOのスペシャルステージ配信について
EXPO 2023ではスペシャルステージが設けられ配信チケットを購入した人のみがスペシャルステージを視聴可能という形式でしたが、今年はスペシャルステージが廃止されEXPO全編がYoutubeおよびホロアースで無料公開されました。(EXPO 2023においてもスペシャルステージ以外は無料公開)
スペシャルステージが廃止となった経緯は不明ですが、一つ確実なのはスペシャルステージ配信チケット売上が今年は計上されてこないという点です。
EXPO2023におけるスペシャルステージ配信チケット販売数は不明ですが、影響は軽微と推定されるも若干の不安材料となっています。
総括
以上を踏まえ、各情報を基に算出した「hololive SUPER EXPO 2024 & hololive 5th fes. 」の推定収益は約25億3,500万円約27億2,180万円~約30億9,100万円のレンジと推測します。
なお、特に5th fes.の配信チケット販売数や現地物販、飲食関連、スポンサー収益などは上振れ・下振れ要素が懸念され、推定収益とは乖離が生じる可能性があることをご留意ください。
また、2023年後半にデビューしたJPグループ「ReGLOSS」5名およびENグループ「Advent」の5名は5th fes.へ不参加となりました。
彼女たちのグループは2024/3Qにおける配信コンテンツの強い成長に寄与しており次回以降の参加となってしまうのは残念である一方、グッズにおいては今回不参加となったタレントの商品も販売されています。グループ全体のチャンネル登録者数が増加する中で、特にグッズ事業においては昨年以上の売上が期待できそうです。
※冒頭の記事においてもグッズ販売の盛り上がりについて特筆されています。
5月発表予定の本決算まで残り約1か月となりました。今回のイベント収益はどれほど拡大しているのか、また来期のガイダンスはどの様に提示されるのか注目されます。
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