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なぜ古い万年筆を買うか①

こんな事を聞く人はきっと友達がいないだろう。
そして、「はじめに」に続きおかしな写真を掲げているこのノートを見ている方の中に、
「なぜ古いモノを使うか」という疑問に対し、
「ケッ、古いモノなんか捨てちまいねぇ!おいらぁチキチキのシティボーイでぃ!」
という人はまさかいないと思うけれども、たまたま覗くひともいるかもしれない。
そして活字に飢えるが故に最後まで読んでしまうかもしれない。
そんな不幸な人は人の道を踏み外し「高みに堕ちる」かもしれない、、、

確かに現行品と違って扱いや修理などが面倒だったりするかもと尻込みしてしまうかもしれない。いないとは思うけれど本稿に焚き付けられて損をしたという方はご連絡を。

現行品より安上がりかも?
一部から大きな反発があるだろう。
「古い万年筆の中では割れ、痩せ、果てには溶ける物もあり修理するにも金がかかる」というのだ。
確かに、そんなものが大勢である始末。
完璧な物なんかありゃしない。
だが、比較的新しい国産万年筆などは特別なモデルでない限り概ね安く手に入れる事ができるし、選択肢も広がるだろう。

例として万年筆にハマりたての方で金ペンを初めて買おうという人は、予算が潤沢にあるというわけではない。
その上最近は値上げによって一万円台で買える金ペンが減ってしまった。
だが古い物に目を向けてみれば国産のショート軸であれば5000円もあればほとんどの種類で新品かそれに近い状態の物が買えるだろう。プラチナの細軟やパイロットのEシリーズだったり現行品とは一味違った味付けの物もある。
柔らかいものから硬いもの、太書きから細書きまで比較的安価で試せるというのは大きな魅力ではないだろうか。

それに人の手を加えれば大抵復活する。(個人の分解、改造を奨励する物ではない)

例えば画像にあげたpelikanの400NN、古い物の中ではかなりいい出来だが、透明プラスチック製ソケットが割れやすい(というより必ず割れる)事や、ペンポイントが背開きだったり寄せが強めだったりと欠点がある。
しかしソケットを交換し腹側を開き、寄せを弱めてやれば十分実用に耐え、万年筆が実用されていた時代の「使う」万年筆といった感じで持ち主の期待に十二分に応えてくれる一本になる。

どちらにせよ信頼できる店舗、セラーからの購入が望ましい。
そうでなければペン先がグシャグシャ、吸入ピストンが動かない、軸割れ、パーツ欠損等、余程ひどい物でなければ自分で調べて(もし失敗した際に泣きつく先も合わせて)
修理に挑戦してみるのも手だろう。

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