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修理記事

誰かのヒントになれば。
前回から時間が空いたのはめんどくs(((
忙しかったからです。
質問があればTwitterからでもコメントからでもお気軽にどうぞ。


セーラー プロフィット梨地

悪くなかったが左に傾けたとき、ザラつくので少し修正、それとスリット間隔が狭かったので少し開いた。
80周年と同じ18Kペン先、そこそこ珍しい太字。
21Kより硬めで芯のある感じでZのような研ぎはヌラヌラというよりも、抵抗はないのにサラサラと言った感じの筆記音のセーラーらしい書き味。
これを味わうにはとある方の資料によるとM以上がいいそうだ。
セーラーの万年筆はペンを寝かせてゆったり書くようなよく言うと玄人好み、悪く言えばジジ臭い、スタイルに合うと思う。

MONTBLANC 644N

これはあまり最近ではないので具体的な修理というより古いモンブランに触る時の注意点を幾つか。(主にセルロイド製について)
まず、調べれば出る通りセルロイドの質が悪い為に軸が痩せ、悪ければ
(まぁほとんどであるが)崩壊する。
例えばボロボロに砕けたり溶けたり割れたり。様々である。
崩壊はセルロイドの宿命だが度がすぎている、、、
これは仕方ない事なのでそうなれば、(もしくはそうなる前に)筆記具工房さんなりに問い合わせて新しい軸を挽いて貰えばいいだろう。
このような性質であるので会合や集会で触らせてもらう場合には椅子に腰かけたりもうあとは握って試筆するだけの状態で渡してもらおう。
あとは柔らかいからと言って強い筆圧をかけない(これは他のペンでも常識であるが)。
等注意した方が良い。
強制ではないがもしも落として割って弁償なんてなった際には、、、

MONTBLANC 204

644Nと204がわかる方とは是非一度お話ししてみたい、、、
どちらも万年筆談義に載っている。(204は後継の214だが)
1940sデンマーク製のモンブラン。
「てやんでぇ!モンブランはドイツ製ダロゥ!?」
という人もいるかもしれないが第二次世界大戦中に占領下であったデンマークで製造していたモデルが多数存在している。
デザインなどもデンマーク製特有の物が多く、ダニッシュモンブランと呼ばれ一冊の本になっている程である。

204に話を戻すと、天冠はガゼイン製、胴軸はコーラルのセルロイド、14Kの4号ペン先、ボタン式吸入である。
(なぜかこのセルは痩せや崩壊の兆候も少ないとされている。組成の問題なのか、、、)
キャップの下が空いているのは仕様。目的は謎、、、

左から204、146、144
エボナイトと金が反応して発生する所謂エボ焼けの美しいシンプルなペン先

主に分解清掃、微調整、サック交換を行なった。
分解清掃については特別何もないが、まずペン先を洗浄(コレがキモ)なりして外す。
一に洗浄、二に洗浄とまではいかないが汚れが固着して外れない場合や汚れているのを無理に外してペン先の固定が緩くなる場合などもあるので念入りに。
あとは首軸を熱湯につけて外す。
(詳しくは述べないので他のサイト参考に。何よりも慎重に。)
これは中々難しいが怖ければジャンクの国産バネ式セル軸なんか痩せていて練習には向くかもしれない。最初は手の皮が剥けるがまぁ、、、お大事に。
今回はサックがカサカサでいてくれたので良かった。

最悪なのはネチョネチョしたサックを掻き出す作業。固着していたりすると叩き割りたくなる。エタノールである程度溶けるが軸にも影響がある可能性もあるし結局掻き出すのでどちらにせよ最悪。

あとは微調整。言う事はない。
裏面のエボ焼けを落としてフロー、段差、背開き等を調整する。

サック交換はシリコンサックを買ってシェラックで取り付ける。
それだけだが、この作業でキモなのが板バネの調整である。
暇な方は紙で試してみるとわかりやすいだろう。
板バネはある程度曲がる方向に曲げておかないと反対の方向にも曲がろうとする。
なのである程度内側に曲げておかねばならない。
だが、曲げてある分普段サックを押してしまうので吸入量が減る。
結構曲げないとマゴつくので吸入量がかなり減る。
これの塩梅である。
と言いたいところだがアレをアレすれば劇的なのである。

普通に曲げるとボタンをいくらシコシコやっても半分以下、、、


「アレをアレ」した場合、これは一回しかボタンを押していないが3回も押せば満タンである。

修理したい万年筆があれば是非私にご依頼を!
と言いたいところだが腕と頭が全く確かでないのと責任を取る事ができないのでしっかりした方にお任せしてください。
ちょくちょく万年筆を修理してはは生活苦の為売りに出しているのでTwitter、メルカリ等で手に取っていただければ幸いです。
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