見出し画像

『三ノ輪の三姉妹』に寄せて②|古戸森より

8月末~9月の頭まで、かるがも団地は
『三ノ輪の三姉妹』という演劇を上演します。
それに寄せて、劇団員の3人の
創作のきっかけや創作中に考えていることを記していこうと思います。
第二回目は脚本補佐・宣伝美術・衣装の古戸森陽乃が、
稽古を見ながら思い出しているあれこれを書きました。


三ノ輪の三姉妹に寄せて(脚本補佐・宣伝美術・衣装:古戸森陽乃)

稽古を見ていて思い出しているあれこれ▼
(※作品とはマジであんま関係ない、ごめんなさい) 

中学3年生のとき、演劇部の大会を母が見に来てくれた。終わったあと家で、「○○ちゃんは声が良く通って聞きやすかった、あなたはあんまりだった」みたいなことを言われた。実際そうだったと思う。でもわたしは2年生の時から部長としてがんばってきたつもりだったし、ダメなところばかりではなかったと思うのだけれど。

高校生のとき、わたしが家で学校での出来事を母に話していると、「あなたの喋り方は聞いていてイライラする、きっと友だちもそう思っていると思う」と言われた。何を話してもわたしの非を指摘されて終わる。ただ聞いてほしいだけなのに、と思う。母にはあまり悩み事を話せない。

大学生のとき、母が家から車で15分くらいのところにおいしいご飯屋さんを見つけたから行こうと誘ってくれて一緒に行った。近くの駐車場がいっぱいで、母が駐車場を探している間わたしが先に店に入っていることになった。席についてから10分くらい待っても母が現れないので、なんだか申し訳なくておつまみみたいな品を一つ頼んで待っていた。母はわたしが勝手に注文したのを見て、セットにすればそれもついていたのにもったいないと店員さんがいる前でずっとわたしを叱っていた。母とはもう二人で外食はしたくない。

1年くらい前、夢の中で母が「はるのはピアノ上手だったもんねえ」と言ってくれて、泣きながら起きた。ずっとそういうふうに言ってほしかったんだと思う。演劇もピアノも勉強も、できて中の上くらいで止まってしまうわたしだけれど、それでも褒めてほしかった。

感謝しなければならないことの方が多いはずなのに、わたしは家族のことを考えるとこういうことばかりを思い出してしまう。28歳になったのに、言われたことや言ってほしかったことを思い返しては泣いてしまう。

こんな具合の親子なので最近は関わっている演劇に誘うこともあまりなかったのだけれど、久しぶりに母を誘ってみた。まだ予約していないけれど来るつもりはあるらしい。

別に感想を聞きたいわけでもないし、見て何を思ってほしいわけでも、物語がわたしとリンクしているわけでもないのだけれど、これで「寝ちゃった」とか「よくわからなかった」とか言われたらもう諦めがつきそう。なんとなく、見るだけ見てほしいなあと、思っている。

…さすがに母に申し訳なくなってきた(別に悪い人間ではないし、わたしも普通に人として落ち度がある)ので、いいことも書いて終わろうと思います。

・赤ちゃんのときのおくるみに包まれているわたしがイカみたいで「イカこと」と呼んでいる
・なぜか台所で一緒にマツケンサンバⅡを踊った(経緯は忘れた)
・ハリーポッターシリーズをアズカバンの囚人まで毎晩読み聞かせしてくれた
・わたしが仕事に行くのがしんどくなったとき、いっしょに職場の駅まで電車に乗ってくれた
・ぜんぜんパラパラしていないチャーハンみたいなものが美味い

イカこと

公演情報

MITAKA “Next” Selection 25th
かるがも団地 第9回本公演
『三ノ輪の三姉妹』
2024年8月31日〜9月8日 三鷹市芸術文化センター 星のホール
作・演出 藤田恭輔

『三ノ輪の三姉妹』フライヤー表
『三ノ輪の三姉妹』フライヤー裏『三ノ輪の三姉妹』フライヤー裏

<Introduction>
荒川区三ノ輪。
下町を走る路面電車と、都心を巡る地下鉄の交差点。
古びたアーケード商店街から一本路地を入った所にある家で、 私たちは育ちました。

姉の葉月、私・苑子、妹の茜。
私たちは誠に嚙み合わせの悪い姉妹です。
今更修復するのも面倒な溝を、互いの間に保ったまま大人になりました。

そんな三人をひとりで育てあげ、
どんな時も分け隔てない愛で包んでくれた奔放な母は今、
くたばろうとしています。

生い先そう長くない彼女を前に、
わたしは、
わたしたちは、
これからどこに向かえばよいのか、今更のように考え出すのでした。

家族。
なぜか共に生きてしまった、いちばん近い他人。
寝苦しいひと夏のギクシャク。
張り切ってどうぞ。

<Cast>
冨岡英香(もちもち/マチルダアパルトマン)
中島梓織(いいへんじ)
瀧口さくら

岡本セキユ
柿原寛子
奥山樹生
村上弦(猿博打)
袖山駿
はぎわら水雨子(食む派)

藤田恭輔(かるがも団地)
宮野風紗音(かるがも団地)
古戸森陽乃(かるがも団地)*声の出演

<Time Table>
2024年
8月31日(土) 13:00★【託】/18:00★
9月1日(日) 13:00★
9月2日(月) 休演日
9月3日(火) 19:15
9月4日(水) 14:00
9月5日(木) 19:15
9月6日(金) 19:15
9月7日(土) 13:00/18:00
9月8日(日) 13:00

★・・・早期観劇割引=全券種各300円引き
【託】・・・託児サービス
※対象:公演当日に1歳~未就学。料金:500円。定員:各回10人。
※申込方法:8月17日(土)までに三鷹市芸術文化センター0422-47-5122に申込み。

*受付開始は開演の1時間前、開場は開演の30分前
*上演時間は約110-120分予定

<Ticket>
【券種・料金】
一般|前売:3,000円/当日:3,500円
財団友の会会員|前売:2,700円/当日:3,200円
学生|前売・当日とも2,000円
高校生以下|前売・当日とも1,000円

※全券種日時指定全席自由
※学生・高校生以下チケットは要学生証等提示

【予約開始日時】
7月19日(金)10:00
※財団友の会会員:7月18日(木)10:00

【チケット取扱】
●かるがも団地(corich)
https://ticket.corich.jp/apply/319073/
※各回開演の3時間前まで受付
※当日現金精算

▲三鷹市芸術文化センター
・電話予約0422-47-5122(午前10時~午後7時)
・インターネット予約(要無料会員登録) https://mitaka-art.jp/ticket/

<Place>
三鷹市芸術文化センター 星のホール
〒181-0012 東京都三鷹市上連雀6-12-14

【交通案内】
JR三鷹駅南口
▶2番バスのりばから3つ目「八幡前・芸術文化センター前」下車すぐ。
▶5・6・7番バスのりばから「八幡前」下車1分
▶徒歩約15分

<Staff>
舞台監督:小玉珠成
舞台美術:いとうすずらん
照明:木村奏太(木村屋)
音響:おにぎり海人(かまどキッチン/オドリバ)
演出助手:一嶋琉衣(吉祥寺GORILLA/yhs)
脚本補佐・衣装・宣伝美術:古戸森陽乃(かるがも団地)
小道具:秋林彩(Nichecraft)
宣伝写真:藤田恭輔(かるがも団地)
記録写真:中嶋千歩
記録映像撮影・編集:松本佳樹(世田谷センスマンズ)
制作:宮野風紗音(かるがも団地)
当日運営:月館森(露と枕/盤外双六)

【協力】
もちもち マチルダアパルトマン いいへんじ くらやみダンス 汽水連 ハダカハレンチ ザジ・ズー 企画山 猿博打 (株)大沢事務所 食む派 木村屋 かまどキッチン オドリバ 吉祥寺GORILLA yhs Nichecraft 露と枕 盤外双六

【主催】
(公財)三鷹市スポーツと文化財団

<Attention>
・車椅子でのご観劇をご希望の場合は、あらかじめご予約後にご予約先(劇団/三鷹市芸術文化センター)までご連絡ください。
・聴覚に障害のある方へのご観劇サポートとして、受付にて台本の貸出を行います。ご希望の方は事前に劇団メールアドレス karugamodanchi@gmail.com にご連絡ください。(予約なしでの貸出も可能ですが、数に限りがございます。)

<Contact>
・三鷹市芸術文化センター 0422-47-5122
・かるがも団地 karugamodanchi@gmail.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?