うさぎ院長

地域のクリニックで、子どもの心とからだに良質な「栄養」を届けることをモットーに仕事をし…

うさぎ院長

地域のクリニックで、子どもの心とからだに良質な「栄養」を届けることをモットーに仕事をしている小児科医です。 日々の診療の中で感じること、みんなに知ってほしいことなどを綴ります。

最近の記事

おかしな日本の離乳食 #初期とか、中期とか

よく語られる離乳食初期、中期、後期・・・ 主には赤ちゃんの食べる機能の発達に合わせて、食べものの水分量や硬さを調整する段階をいう。 こんなに離乳食の段階を細かく示している国を、私は知らない。 本当に意味があるのか。本当に赤ちゃんのためになるのか。誰が誰のために作ったのだろうか。 世間で「初期」といわれる調理形態は「なめらかにすりつぶした状態」のものである。「#10倍がゆ」でも話題にしたスープやすり流し系、ゆるいつぶしがゆを示す。 「食べ始めよう!」って言ってるのに、

    • おかしな日本の離乳食 #10倍がゆ

      さて本題(ここまでは自己紹介) このコラムを書くために、noteのアカウントを作ったと言っても過言ではない。 いまだに日本のあちらこちらで「赤ちゃんの離乳食は10倍がゆから〜」というススメが、スローガンのように伝えられている。 育児雑誌や離乳食本、自治体の保健センターでも、当たり前の光景・・・ でもこれ、実は赤ちゃんの育ちにものすごく悪影響を及ぼしている問題である。 あまり知られていないが、「10倍がゆ」や「7倍がゆ」は、今から60年以上前に離乳食のために作られた規

      • 専門家って?

        「専門家」という言葉を辞書で調べてみる。 「ある方面の知識や技術をしっかり身につけている人」とある。(参考:例解新国語辞典第九版 三省堂) 「しっかり身につけている」って、とても曖昧。何を基準にしているのだろう? 技術は分かりやすい。 でも知識となると、特に門外漢の人にとってみれば、その質の高さや量の多さなど分かるはずがない。と思う。 私自身、医師免許と日本小児科学会の専門医資格を持っている。でも、だからって子どものスペシャリストだとは到底思えない。その道を学べば学

        • なぜ「うさぎ」か

          自分のクリニックを始めて6年が経つ。 色々悩んでいた開業前、友だちとフラッと立ち寄った手相占いで、「あなたは動物に例えるなら、雪上にポツンといる白いうさぎ。」と言われた。 自分のことを言い当てられているとは思わなかったが、一緒にいた友だちはかなりインパクトを受けた(ウケた?)らしく、それ以来彼女のブログで私は「うさぎちゃん」という名で登場している。その影響で、今でも私をうさぎ院長を呼ぶ人がいる。 2年ほど前に再びそこを訪れた。 「今あなたの心の中には5匹のトラがいます

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