どこまで細かくこだわるか(初心者の映画制作講座)
この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものをピックアップして紹介しているものです。
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何度か書いていますが、監督というのは膨大な決断を下すのが仕事です。
しかし、決断を下すって、結構大変なことなんです。
よほど自分の考えがまとまっていないとできません。
そんな時、自分なりのこだわりがると、ある部分は決断が早くなったりします。
今回は、そんな僕のこだわりを一つ紹介します。
映画を作るとき、
僕は「日常生活の音は使わない」ことにこだわっています。
日常生活で耳にする、既成の音は極力使わない、ということです。
ちょっと例を挙げましょう。
僕はウェブの仕事に長く関わっていました。
ウェブページというのは、画像にフリー素材を使うことも多いのです。
普段からフリー素材集をよく見ているので、
他のサイトを何気なく見ている時、「あ、この画像知ってる」となるわけです。
頭の中では、ある情報を検索したり、サイトの文章を読んでいるのに、その画像を見た瞬間、我に返るわけです。
「ああ、このサイトを作っている人も、画像を検索したんだなあ」
頭の中が、サイト制作者の視点にたちまち変換されてしまう。
こんな経験ってよくありませんか?
街なかで、聞き覚えのある音がして、キョロキョロしてしまう。
それは、自分の携帯の着信音と同じメロディーだったりするわけです。
ある時、自主映画の上映会で、
じわじわとその作品の世界にのめり込んでいました。
主人公の青年が自室に帰ってくるシーンが始まり、上着を脱いだり机の物を動かしたりしていて、
その瞬間、
ジャーン・・・
という聞き覚えのある音がして、途端に僕は我に返ってしまいました。
知る人にはおなじみ、Macintosh の起動音です。
あ、そういえば、カルフのサイトの更新しなきゃなあ・・・
そこから、映画の世界に戻るまで、少し時間がかかってしまったのです。
世の中は、生活音であふれています。
僕は、この生活音を自分の映画にとりこまないように気を配っています。
○携帯が鳴る音=オリジナルの音を用意します。
○ドアのピンポーンというチャイムの音=これもどこの家も結構同じ音です。気を付けるとこです。
例を挙げればキリがないですが、こういった細かいこだわりを積み重ねることが、現場の素早い決断につながるような気がします。
その代わり、普段の生活であんまり細かいこだわりを持ちすぎると、ちょっとめんどくさい奴になっちゃいますけどね!
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