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デミグラスソースを使わないビーフシチュー

所要時間:4時間~5時間程度。一晩寝かすならその分の時間が必要

デミグラスソースを使わずにビーフシチューを料理してみた。
なぜ、デミグラスソースを使わないかというと、ハインツ社などの市販デミグラスソースはそれだけで十分美味しい。だから、それを使って料理をしてしまえば美味しいものができて当たり前なので、デミソースを使わずに美味しいビーフシチュー作りに挑戦してみようと思ったのだ。

初めての試みだったのでいくつかのYoutubeやネットの文献を組み合わせて自分でアレンジをしてみた。洋食屋で出てくるような、とても美味しいビーフシチューができた。昔、行った銀座のビーフシチューの名店:銀の塔 (2022年で開業67年!)の味にとても近いものになったので備忘録として記したい。

材料(3~4人前)

牛肉 700g ※すね肉がおすすめ
塩 0.8%程度

玉ねぎ 1個
にんにく 4カケ
にんじん 2本
ローリエ 2枚
赤ワイン 1本(750ml)
フォン・ド・ボー 120ml~150ml
※近くのスーパーにないのでネット通販で購入。
 使わない分は冷凍保存可。

無塩バター 適量
小麦粉 適量
ブラックペッパー 適量
ハチミツ 適量
醤油 適量

付け合わせ野菜
☆ブラウンマッシュルーム 1パック~2パック
にんじん 適量
じゃがいも 適量
アスパラガス 適量

※ブラウンマッシュルームは入れたい

調理の流れ

1. 牛肉を塩と胡椒で15分以上マリネし、薄力粉を適量ふるう。

牛肉(すね肉)に下味として0.8%の塩と適量の胡椒を振っておく。マリネの時間は最低15分程度は必要で、一旦、赤い汁(ドリップ)が浮かんでくるが、すぐに肉に吸収される。吸収されないほどのドリップには雑味や臭みが含まれるため、リードなどで丁寧に拭き取る。15分以上経ったら、薄力粉をふるう。

2. 牛肉へ焼き色をつけ、煮込み鍋へ投入。

小麦粉をふるった牛肉を、熱してからオイルをひいたフライパンで一面づつこんがりと焼き色をつける。ここでの工程は、牛肉を焼いた時の香ばしいアロマがソースへ加わることを目的としている。
ちなみに、焼き色が付きづらい場合は牛肉がちゃんと乾いていないかもしれない。冷蔵庫でラップをせずに置いておくと肉が乾いて良い具合になる。

※麻婆豆腐やカレー調理で、最初にスパイスをじっくり炒めて香りを引き出すことで、完成品から複雑で多層的な香りがするのと同様の考え。香ばしく焼けたステーキをイメージする。

牛肉が焼けたら、煮込み鍋へ投入する。

※フライパンへ余分な脂が出ている場合は、臭みや雑味が含まれているためキッチンペーパーで軽くふき取る。フライパンに肉の旨味がこびりついているため、後の工程でデグラッセする。

3. 野菜を炒める

まずは、フライパンに最低限のオリーブオイルをひき、皮つきのまま半分にしたニンニクを、切った面が狐色になるまで焼き色をつける。

次に、スライスした玉ねぎを入れ、少しだけ塩をふるい飴色の直前まで炒める。ここで塩をふるう目的は、玉ねぎがシュエ(水分が抜けること)するので飴色になるのが早いため。

次に、1.5cm角大に切った人参を入れ、十分に火を通す。

※この工程では、オイルは必要最低限にしたいが、足りない場合は随時オイルを調整して入れていく。

※この工程の意味は、それぞれの野菜の香ばしさを引き出しながら、余分な水分や辛味を抜いて、甘みを引き出すこと。多少の焦げは問題ない。

4. 野菜を残したまま、赤ワインを沸騰させる。

炒めた野菜をそのままに、フライパンへ赤ワインを一本分(750ml)入れる。赤ワインを沸騰させ、アクをすくう。フライパンの底にこびりついた肉の旨味を適量こそげ落とす。また、赤ワインのアルコールを十分蒸発させ、ほどよく酸味も抜きたい。

ここで、前の工程の野菜の炒め方が足りないと野菜の余分な水分が残ってしまう。水は100°までしか温度が上がらないが、酸味の沸点は118°のため、水分が多いと酸味が飛びにくい。だから、3の工程は出来る限り、水分を抜くイメージを持ちたい。人参から水分を抜くのは難しいので玉ねぎに注意したい。

30秒~1分、強火で赤ワインを沸騰させたら、煮込み鍋へ具材含めて全て投入。

5. フォン・ド・ボーとハーブを入れ、極弱火で2時間半煮込む。

牛肉と赤ワイン、野菜が入った煮込み鍋へフォン・ド・ボーとローリエを2枚ほど入れ、フタをして、極弱火で2時間半煮込む。極弱火とは表面がほんの少しだけポコポコとなっている程度。極弱火にしても沸騰してしまう場合は、コンロから半分だけ鍋をずらすなどの工夫をする。

※肉の筋繊維は高温で縮む。コラーゲンは低温で分解されるため、低温の方が柔らかくなる。

※途中、味見をすると、赤ワインの酸味や香りを強く感じ、本当に美味しくなるのかな,,,と不安になるが、安心してよい。

※もしかしたら、セロリやパセリの茎、ローリエをタコ糸で巻いて、ブーケガルニを作って煮込んでも良かったかもしれない。

6. そのまま1~2時間~1晩寝かせる。

煮込んだあとは牛肉とその煮込み汁をそのままにして1時間~2時間、できれば1晩寝かせる。

※おでんと同じで、冷めていく時に具材へ味が入っていく。

7. 牛肉を取り出し、煮汁を濾して、煮汁のみを煮詰めソースの味を決め、ソースを完成させる。

寝かせた煮込み鍋から牛肉だけ取り出して分けておいて、煮汁をザルなどで濾す。
※濾し残りの玉ねぎ、ニンニク、人参は捨てるか、取っておいてカレーなどに使う。

濾した煮汁のみをテフロンフライパンなどへうつし、強火で沸騰させる。
沸騰させると真ん中あたりにアクや余分な脂・油が浮いてくるので、丁寧に取り除く。

そのままトロミがついてソースになるまで煮詰める。この段階で赤ワインの香りや酸味がグッと飛んでいく。反対に、赤ワイン本来の渋みとコクが復活し深い味わいへと変化する。フォン・ド・ボーの旨味や野菜の甘味も復活してくるので、味見をすると美味しくなるぞ、というポテンシャルを感じる。

煮詰めていく段階で、味が足りない、酸味が強い、と感じるようであれば、醤油とハチミツで、小さじ1杯程度以内で調整する。砂糖よりもハチミツの方が酸味を抑えるには効果的だ。醤油は赤ワイン、牛肉、バター全てに相性が良いため、塩味としては最適だと思う。調整は必ず少量づつ、味を見ながらする。ハチミツは入れた直後、ハチミツの香りが強いが煮詰めるとハチミツの香りは飛んでいく。

※隠し味でダークチョコレートや、黒糖もよいらしい。
※ハチミツはマヌカハニーが柔らかくて良いと思う。
※ソースはソースだけで、調理を行うことで、赤ワインの酸味もちゃんと飛ばせられ、味の濁りも少なく、また、牛肉に味が入りすぎず、良いことづくめである。

8. 牛肉と付け合わせ野菜をソースへ戻して絡める。

完成したソースへ牛肉と付け合わせ野菜(人参、ジャガイモ、マッシュルーム)を入れてソースと絡める。

9. 牛肉と付け合わせ野菜のみを皿へ盛り付け、ソースへほんの少しのバターで艶を出す。

牛肉と付け合わせ野菜のみを皿へ盛り付ける。
食べきれない分はこの時点でのソースとともに別の容器へ入れておくと良い。食べる分だけのソースがフライパンに残す。

フライパンに残ったソースへほんの少しだけバターを冷たいまま入れて、余熱で溶かす。こうすることで艶のあるソースができる。

10. ソースを適量かけて、ミニョレットを振り、完成。

このソースを盛り付けた皿の肉や野菜へかけ、ミニョレット(粗く潰した黒コショウ)をお好みでふり、完成。

α. 付け合わせ野菜は用意しておく 

お好みの付け合わせ野菜を用意するが、マッシュルームは旨味成分が多く、ビーフシチューとの相性も抜群であり、必ず入れたい。

マッシュルーム調理法
マッシュルームは、バターでソテーするのがオススメ。マッシュルームをバターできつね色の焼き目をつける。バターをマッシュルームに吸わせるイメージで。水分が出てくるが、それも旨味なので、それもソースへ入れたい。

じゃがいも・人参調理法
じゃがいも・人参などは皮をむいて、適度な大きさにカットし、塩ゆでする。

アスパラガス調理法
アスパラガスは、切った根っこを輪切りにし、お好みでむいた皮と一緒に出し汁を取る。だし汁にはホールのホワイトペッパーとアクを出すための微量の塩を入れる。だし汁からアクが出てきたら、それをひいて、ザルで濾す。濾した煮汁を鍋に戻し、アスパラガスをそのだし汁で3分煮る。

アスパラガスを耐熱タッパーなどに取り出し、そこへ、だし汁を投入し、粗熱を取ったら、2時間~1日、冷蔵庫で寝かす。
寝かしたアスパラガスをオリーブオイルなどでソテーし、お好みでコショウを振る。

参考Youtube

基本のレシピとして参考にしたもの。
https://youtu.be/jcyNatiOQiA

玉ねぎスライスとニンニクの量や赤ワインの量、マッシュルーム調理法などを参考にした。
https://youtu.be/By1KgIjj__Q

赤ワインソースの作り方とその考え方を学んだ。
https://youtu.be/tKw5usReJYY

フォン・ド・ボーの取り方から煮込み料理の考え方を学んだ。
https://youtu.be/Sur_dEPMtp8

アスパラガスのゆで方はこの通り。
https://youtu.be/NwxekLLUN6A

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