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#36 グリムの法則 jun8

慶應大学の堀田先生がグリムの法則を説明される講義があったので、受講した。グリムの法則は、簡単に言えば、紀元前3世紀ごろまでに、ゲルマン語派が印欧祖語から分離した際に子音が推移した現象である。簡単に言えば、印欧祖語から分離したイタリック語派のラテン語(L)では、印欧祖語のpの音を残している語が、ゲルマン語派の英語(E)では、fの音になっているとか、そんな音韻変化の決まりのことである。なお、この受講が、自分のキャリアにどう役立つかとか考えてはならない。そんな種類の受講であった。

ただし、このグリムの法則を理解すれば、pedal-footやcap-head, grain-corn, flower-bloomのつながりが見えるようになることは、voicyでも堀田師匠が熱く語ってらっしゃった。つまり、同じ印欧祖語に端を発するラテン語やギリシャ語と英語のdoubletなどが見えるようになる道具となる。さらには、flow-fluentのような一見同語源のように見える語が、実は別語源であることもわかるようになるという逆のメリットもある。

このグリムの法則については、KDEEこと英語語源辞典の巻末と研究社の堀田先生の一連の記事に詳しいが、やはり説明をしっかり聞くと、理解度が全然異なった。特に、自分の場合は、Blogにある子音の音声表を見ながら聞いたことで、一層理解が深まったと感じた。受講して良かったと感じた瞬間である。

これとは別に、KDEEの引き方についても理解が深まり(♦️や□の意味をしっかりと理解していなかったことに気づいた)、そういう意味でも受講してよかった。このグリムの法則をさらに整理してまとめ、あとちゃんと理解していない大母音推移を押さえていきたいと考えている。

ところで、後で調べてみると、このグリムの法則として知られるBrothers Grimmは、実は9人兄弟だったことがWikipediaに掲載されていた。二人だと思っていただけに、深い。

今日のWords of the day. さまざまな辞書から。

incognito (adj, adv) recognizeなどとも同語源のこの語だが、gniの箇所がknowと同じ祖語を持つと類推される(これがグリムの法則)
abyssopelagic (adj) 深海のという意味だが、abyssが入っている時点で、意味が少しだけ推察できる。Collinsの新しいシリーズのような気がするが、何シリーズなのかまだ謎だ。
hammock (n) 語源を調べたら、ハイチの方の言葉で、漁師網とのこと。
penitent (adj) 今日は形容詞祭りかも。悔い改めているの意味。 

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