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【映像で観るボーカロイドの世界】②動画師というこだわり。 ※ REOL『drop pop candy』

ボカロ系動画作品を紹介する、となると、絶対に外せない人が一人いる。
今回はその人――動画師の『お菊』さんを紹介したい。


『ギガンティックO.T.N』

『おこちゃま戦争』

そして『ヒビカセ』。

サウンドクリエイターのギガPとボーカリスト兼作詞家のれをるが作り出すハイスピードでセンスあふれるこれらのサウンドを、ボカロを知らなくともどこかで聴いたことがある人は少なくないだろう。これらの作品の動画を手掛けていたのが、映像クリエイターである『お菊』である。

彼女は他にもHoneyWorks、じっぷす、hiroki、鬱P、ワンダフル☆オポチュニティ!、悪ノPなどのVOCALOID曲やCDクロスフェードなどの動画の制作に携わっているのだが、恐らく一見しただけではそれらが全く同じ人物による制作物だ、と気づく人は少ないのじゃないかと思う。

彼女は自身の動画に、自らが作ったという証明を残さない。
普通なら自身の作品に『お約束』――自らが好んで使う表現方法と言った『癖』のようなもの――を残すことで烙印を押そうとすると思うが、彼女は自らの名をクレジットに残すだけで、それ以上の主張を動画内では、しない。
曲のイメージを損なわず、かつ曲の良い部分をいかに増幅し、インパクトを残すかだけを徹底して追求していく姿は、まさしく『職人』であり、だからこそ彼女の作り上げる動画作品はどれも強く印象に残るのだと思う。


そんな彼女が、れをるとギガPとのユニット『REOL』としてメジャーデビューを果たしたのが2015年のこと。
その前年に公開されダブルミリオンを達成した伝説の作品『No title』の衝撃を、私は未だに忘れられないでいる。

れをるの書き上げた印象的な歌詞を一気に放出するギガPのサウンドを、文字の奔流という形で見事に表現したこの動画を初めて見たとき、この人はいったいどこまでいくんだろう、と舌を巻いたのを思い出す。
――もっとも、まさかこの時、映像クリエイターである彼女がれをるとギガPとともに『音楽ユニット』としてメジャーデビューを果たすとは思っていなかったのだけども。


そんな彼女の数ある動画作品の中から、最後にもう一つだけ紹介しておく。前述の『No title』の少し前に公開されたポップチューン、『drop pop candy』である。

曲に合わせた構成の巧みさ、徹底してオリジナルを追求したデザイン、何よりれをるのLyricを前面に押し出したその表現。すごいとしか言いようがない。

いつか私も、こんな作品を作ってみたいものだ。

動画もしゃべりも未熟な私ですが、何か琴線に触れるものがありましたら、ぜひサポートお願いします。