プロパー社員にしか出来ないことがボトルネックになる

最近プロパー社員という概念を初めて知りました。
プロパー社員とは、明確に定義が決まっているものではないと思いますが、「新卒一年目から会社に勤めている生え抜きの社員」のことを指すこともあれば、派遣社員やアルバイトと正社員を区別する意味合いで使われることもあります。
今回は後者の定義をもとに話を進めていきます。
実際この区別はなぜ必要なのかというと、情報をどこまで開示できるか扱えるかという部分が大きと思います。
正社員しか触れない情報があることも別におかしくはないです、しかし仕事を進める上ではボトルネックになることが大いにあります。

まず、プロパー社員にしか触れないというのは、属人性が高いこととほぼ同じです。属人性というのは、そのものがどの程度個人に紐づいているかということです。
例えば、顔出しYouTubeは漫画系チャンネルに比べて属人性が高いと言えるでしょう。属人性が高いと他の人に譲渡することは難しくなります。
今回のプロパー社員にしか出来ない仕事というのは、文字通りプロパー社員以外に渡すことは出来ません。
そしたらプロパー社員がやるべき仕事は「プロパー社員しか触れない情報を扱う仕事」になります。プロパー社員が一人で能力も他と比べて高いとしても、やるべき仕事は変わらない。本当はもっと高度なことをやって欲しくても他の人にさせられないので、適材適所の原則が守れない。

現在、正社員の割合というのはかなり下がってきています。
この状況でプロパー社員にしか出来ない仕事というのを放置すれば、正社員の方ほど他の仕事に挑戦できず、成長機会が見込めないということになります。
そもそも会社というのは属人性を希釈していく必要があります。
よくある「自分がいないと仕事が回らない」というのは幻想で、もう少し拡大すると誰が死んでも世界は周ります。
それはスティーブ・ジョブスやイーロンマスクがいなくなってもです。
反対に縮小して恋愛というものを考えると「君がいないとだめなんだ」となり圧倒的に属人性が高くなります。
つまり集団として考えたときに小さいほど、属人性は高くなり、大きいほど属人性は低くなります。
なので会社がある程度大きくなれば、属人性の高い仕事は排除するか、属人性を希釈していく必要があります。

そうでなければ、その人が去っていた時に会社がまわらない。もしくはその人に膨大な給料を払う必要が出てきます。
日本では後者が行われないので、優秀な人ほど会社を去り、その穴を誰も埋められないとなります。
今後正社員比率が下がっていった時に、プロパー社員のみ触れる仕事を放置すると、優秀な生え抜き社員は会社を出ていって、そのしわ寄せが他のプロパー社員に行く。
しかもこの流れは優秀な人から無能な人に流れるので、会社としてのコスパはどんどん悪くなります。
仕事の流れの一部にこれが組み込まれていた場合には、そこから先の仕事が進まなくなり全体として進まない。ボトルネックは分かっているが辞めさせることが出来ずに、優秀なプロパー社員どころか他の人も離れていく。そうして最悪なケースは、無能な正社員だけが残ってしまうことです。

なので会社は、属人性をなるべく取り払い「誰でも出来る仕事を誰よりも早くこなせる」人材を採用し、その人に高い給料を払うという方向に舵を切る必要があるのではないかなと思います。

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