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新入社員の育て方

もう一つのnoteに書いてしまった記事を再掲します。さて、先日、竹村亞希子先生著の「超訳易経 陽 乾為天」をもとに新入社員は龍の成長物語の最初の段階である「潜龍」であると書きました。繰り返しになりますが、易経では「龍」ははじめから力を発揮するわけでなく、「潜龍」から「見龍」、「乾惕(けんてき)」「躍龍」「飛龍」そして「亢龍」という6段階のプロセスを経て優れたリーダーに成長すると書かれています。この「潜龍」は志を打ち立てる段階です。新入社員として入社し、その会社の中でどのように成長するのかはもちろん、この会社の事業を通じて自分はどのような社会貢献を果たしていきたいと思うのか、そして自分としてどのような生き方をしていきたいのかということを考える時なのです。

さて、この「潜龍」である新入社員は比較的早い時間で「見龍」に成長します。これは世間から見られたり、自分としてもまだ何も分からなかった新入社員時代から少し周りが見えてくる段階であり、新入社員であれば、仕事の基礎を学ぶ時期に入ります。つまり、基本を徹底的に学ぶ期間です。

この時期に最も重要なのは、この「見龍」に原理原則をしっかりと教えてくれる上司や先輩社員の存在です。この上司のことを易経では「大人(たいじん)」といいます。ではこの「大人」とはどういう人であるべきなのかというと、志がしっかりしていて、当たり前のことが当たり前にできる人であり、日頃の言動に嘘がなく、行動には謙虚な慎みがある。そして邪な心がなく、誠心誠意仕事に取り組む。世の中の役に立っても驕らない人、そして「見龍」が見習いたいと思うような人だと竹村先生は本書の中で解説しています。

ここまでできるかどうかは別として、やはり新入社員にとっての上司や先輩社員は、この「大人」をぜひ目指してほしいと思います。見習いたい、この人のようになりたいという善き見本になることを常に自覚していくことが肝要なのです。

上司は「あの人のようになりたい」という存在になるか「あの人のようにだけはなりたくない」と思われる存在になるか、その二つに一つしかありません。新入社員を迎えるにあたって、ぜひ、自己の行動や思想、志を再確認され、ぜひ、マネをされるような上司、先輩になることを心がけてほしいと思います。

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