17.私を救ってくれたもの①
コロナが猛威を振るい始めてから、本当に生活が変わった。毎日、仕事と家の往復は今も変わらないのだが、昨年の3月から半年経った頃(昨年の9月くらいかな)、その生活に加えて私生活でショックな事があり、気分が落ち込み気味なのは自分でも自覚しているつもりだった。
しかし、ふと気付くと、今まで夢中になっていたものをもう1ヶ月以上見ていない、触っていないことに気付く。『楽しい』と思ったのは、最後いつだっけ?
周りを見渡すと、生活の中から、視界の中から、『色』が消えていく感覚。ぼやけていて、仕事して家で何か食事をして(昨日食べたものも覚えてない)、お風呂に入って寝るだけしか記憶が無い。(それしかしてないけど)
あれ?これって、ヤバいのでは。良くない気がする。
私は、大学生時代、鬱だった時期がある。
ちょっとの期間は病院にも行って治療していた事もあり、今は落ち着いているが、自分の中でボーダーラインがあると思っている。
ボーダーラインに近付くほど落ち込むけれど、とにかくボーダーラインより下に行かなければ良い。ラインに乗ってもそこで自分に優しく、休んだりすれば直ぐに持ち直せる。だけど、ボーダーラインより1mmでも落ちれば、ラインの上に上がるのは困難…と。
その時既に、ボーダーラインより下に落ちていた。制限のある中で、とにかく自分に優しい生活を、と思っていたが、上がれない。気分が上がることがない。 ボーダーラインの天井が重い。
どうしよう、どうしよう…と焦っている時にふと現れたのはとあるドラマだった。
『チェリまほ』だ。
私は原作のファンで、Twitterで1話が投稿された時から好きだった。
ドラマ化の話は知っていたが、あのファンタジー設定なら、イケメン俳優あててきて、面白おかしく使われるだけだろ…と、過去の好きな作品の苦い思い出が蘇る。
私の住む地域は放送地域でもないし、全く期待していなかったので、見るつもりもなかった。
……のだが、多分2話が放送されたあとくらいの時に、たまたまYouTubeで公式の1話放送を見かけて、試しに見てみた。
そしたら、画面上に安達がいて黒沢がいた。
えっ。キャスティング、すごっ
あのイケメンが、ちゃんと安達だ。
漫画からそのまま飛び出してきたような2人。
あっという間に夢中になり、あっという間に1話が終わってしまった。
えっ、待って待って!2話!2話!放送いつだったっけ?
慌てて調べたら、次の日3話が放送日で、TVerでギリギリ見られる!!うわ、うわ、うわっ、よかった~!!
そんなこんなで、無事にチェリまほにハマり、残念ながら、身近に視聴者が居なかったが、Twitterではフォロワーさんと一緒に毎週盛り上がり、本当に楽しい時間ができた。本当に本当に充実してて、気がつけばボーダーラインの遥か上にいて、笑って年越しを迎えた。
(後日、凄く身近な友人が実はドラマを見ていたことを知る)(一番興味無いだろうと思っていた)
楽しいだけじゃない、色んなことを考えさせられて、見る度に頭も使ったけど、有意義な時間で、良い時間だったと思う。
こんな色んなことに充実したドラマ、しばらく出会わないかもしれない。本当に楽しかったなぁと、今思い返しても幸せな時間だ。
②に続く。