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詩:理想の「自分」は自分で決めるものじゃないよ。

私が活動しているVRの世界では、自分の姿は自分で決めることができる。

だから、既にたくさんの創作のネタになっているけど、ハンドルネームを名乗っているだけの美少女アバターを誰が動かしているかなんて、誰にも分からない。直接声を出して話すボイスチャットが前提の、VRの世界であっても。

私は、そんなこの世界が、その歪みも含めて心から大好きだ。

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この世界では、存在を自己決定することができるようになったと、ある人は言う。

VRでは、なりたいものには誰だってなれる。
VRChatに誘った私の友達も、自分が変形ロボットのアバターになった瞬間、この世界を好きになってくれた。
私はそんなその人に、素直な気持ちで「似合うね」と言葉を送った。その人が着てるからこそ、素直に言えた。

私だって、なりたい自分になれるから、この世界に流れ着いた。私は私であるために、VRの世界の門を開いたのだ。

あるがままの私ではなく、なりたい私になるために。

でも、どれだけ姿を繕っても内面が伴わない「私」にどれだけの価値があるだろう。というのは今でも思っている。

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先日、半年ぶりぐらいに半日だけ実家に帰った。
「生まれたままの自分」というのを意識させられる実家は、正直最近居心地がよくない。

だからその日も最低限の滞在にして、逃げるように帰ってしまった。

その後母から来たLineには、「優しい顔になったね」と書いてあった。

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情緒には自信があるけど、さすがにちょっと泣いてしまった。

もしかしたら太ったね、の言い換えかもしれないし、親バカかもしれないけど、人間は環境で「勝手に」変わるんだなということと、その意義深さを感じてしまったからだ。

ポリゴンで出来たアバターである私の身体は、ツールを使って変えなければ変わらない。

私の今の身体は理想を体現している代わりに、成長しないのかもなと、ふと寂しくなってしまった。

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そこまで想いを馳せて、気づいたことがある。
私はずーーーーっとVRの世界で、ほぼ毎週毎週、配信者として顔を見せている。

すると、たまにリスナーさんに「表情変わった?」とか、「目が変わった?」と言われることがある。3Dポリゴンとしては何も変わってない、設定も変えていないのにも関わらず。

原因はうっすら分かっていて、それは私の体調だ。人間なので、配信するときのコンディションは様々だ。(プロ意識どこへ行った)

つまり、私の無意識レベルの振る舞いすべてが「私」を形作っている。

仮にどれだけ非の打ちようがないアバターを着込んでいても、私は「私」にしかなれない。

結局「私」がどのような人だと感じるか、評価してくれるかは、良くも悪くも周りの眼が決めることだ。

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私は自分が納得できる「私」でいたいと思っている。そう思って姿も決めたし、逆に普段と振る舞いを変えようとする意識をしていない。

「私」という存在は、自分一人では完成させることができない。どんなに意志が強くても、「自分」という存在にだけは自己決定はできない。

私が理想の私であるために、そうでないなら少しでも近づけるように。誰かに評価され続ける人生を、私は望んでいる。たまに疲れちゃうけど……

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バーチャルAV女優のKarinです。 「性別に囚われず好きな仕事のできる世界」を目指して、男性向けセックスワークをやっています。