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千夜一夜系にはついていけない

千夜一夜といえば、王様の夜伽の相手をした娘が、翌朝、殺されないように、次々と続きが気になる話をしていくという話だ。
きっとどこかで聞いた話をかき集めて、本当に命がけで飽きられないように必死で工夫をこらしたことだろう。
こういったスタイルは、現代のアニメやドラマが、最終回にならないように次々と新しい奇抜なエピソードを重ねていくのに似ている。
アラジンの魔法のランプとかシンドバットの大冒険のような、目新しい話をみんな必死で探している。そのための講座まであったりして。

居心地の悪さを感じるのは私だけか。
共感するとすぐ泣いてしまう方なので、むやみに心を振り回されるような話は避ける。途中で気づいたら、気を散らしてみないようにするのは自己防衛。奇抜な設定を競うような架空の設定は、背景が分厚い分、その中に存在している人間の薄っぺらさが強調されるだけのような気がして心が痛い。
だから最近の話題には全くついていけない。
ヒット作とか話題作とか命題のつくものは、今の世の中は千夜一夜系であふれている。


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