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これは私の物語、そしてあなたの物語

先日FNDで"Sekai no tabi" castle ball 【お城の舞踏会】を出品した際に企画をしまして、その時に「物語は読んだ人の数だけある」ということを改めて感じました。

FND作品はこちら

この作品をListする前に話したスペースの録音が残っていなかったので、ツイッターでアーカイブのリクエストを申請しDLしました。それはこちらにアップしました。


この時に行った企画はこちら

この企画には4人の方が参加してくださいました。
皆さんの了承を得て『このお姫様が舞踏会に行かず外を眺めている理由』を載せさせていただくことにしました。


それぞれの理由

●舞踏会がお姫様の魔法で作り出された世界だから

●いつもお父様とお母様の言いつけを守ってきたけれど、珍しく反抗的な気分になり、「気分が悪い」と嘘を言って舞踏会に参加しませんでした。
後からこっそりと舞踏会の様子を伺うと、大勢の人達が楽しげに寄り添い合っていたので、一人だけ仲間はずれになった気分でつまらなくなってしまった。

●お姫様は、「あの人は今、この星空を見て何を思っているかしら」と思っていたことでしょう。
星空は、舞踏会が開かれた時代、世界のどこでも夜の帳が下りれば平等に見えた「普通の」景色でした。
だからこそ、お姫様が隣にいない誰かを想う時、星空を見上げずにはいられなかったはずです。
煌びやかな舞踏会に参加する気も起きないほど、その「普通の」景色は、情緒深く美しく、そして儚く眼に映った……

●ある日、この世界に旅の女の子がやってきた。
紆余曲折あって、お姫様と女の子と王子は仲良くなる。
お城での舞踏会が近づいていたある日、旅の女の子から「わたしはもうすぐこの世界を去るつもり」と聞かされる。
王子が舞踏会で女の子と踊りたいと思っていることに、お姫様は気付いていた。
お姫様も女の子も王子が好き。
でも今の王子はお姫様ではなく、女の子に魅かれている。
ここで女の子を押しのけて王子を得ようとしても、王子の心が離れてしまうだけ。
それに女の子は旅人だから、王子と結ばれることはなく、最終的に王子はお姫様のもとに帰ってくる。
シンデレラのお話とは違い、女の子はこの世界から完全に消えてしまってガラスの靴が残ることもない。
だからこの場だけは女の子に王子を譲った。お姫様の女の子に対する友情も嘘ではなかったから。
お姫様が舞踏会に行かなかったのは、踊る二人の姿を見たくなかったから。
でも結局、遠くの舞踏会の二人を求めるかのように外を眺めている……。


…なんと素敵なんでしょう。読む方によって見える世界はこんなに違うのです。
皆様のご自身の解釈を大切にしていただきたい、ということを強く前置きして、私の解釈も載せておきます。

●このお姫様は王子様の妹。「舞踏会なんて何が楽しいのかしら。ああ、私も自由に外へ出てみたい」と思っています。
私がよく描くテーマの一つに『自分にないものに憧れる』というものがあります。
海のものは空のものに憧れる、空のものは海のものに憧れる…などです。
この『お城の舞踏会』は「誰もが夢見る魔法の世界」でありますが、世界の中の王子様やお姫様にとっては日常、それを楽しいと思うか退屈だと思うかは自分次第なのでしょう。


…という感じです。スペースでも話していますが、このページは『憧れ』が一つのテーマとなっています。よく見るとガラスの靴のヒールに扉が描かれています。これは何を意味するのか、私の解釈はありますがあえて言わずにおこうと思います。

一人一人の心の中にその人だけの物語が広がっていることがわかって、『せかいのたび』を描いて良かったと心から思いました。

これからもあなただけの物語を見つけて欲しいです。

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