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不幸のすべて・第四十四話「組織を制御するために」

 前回は、あなたが、ただ、はじまりと終わりを決め、その間に注意を向けるだけのことで実現します。これはとても簡単で単純なことですがで終わりました。今回はこの続きです。宜しくお願い致します。

 はじまりと終わりが分かっている物事は、脳がその間の情報の取り方を決めて処理します。
 これは、

——未来が分かっている物事は、未来へ向けての時間配分を脳が考えて行動する。

 と言う意味です。
 多くは無意識で考えるので、本人は意識することはありません。脳はこの時間配分を基本的なルールとして認識します。すると、それにリズムを与え、人は自然にそのリズムに沿って行動するようになります。これを〈無意識の行動〉と呼びます。
 播磨陰陽道には、

——最初からその無意識の行動のリズムを決めておけば、何も考えなくても自在に行動を起こすことが出来る。

 と伝わっています。
 それには体にまかすことが重要です。体に任すとは、あれこれ考えずに、体が自由に、そして自在に行えるようにすることです。そのため、播磨陰陽道では武術の訓練を行います。これはただの体育武術とは違い、筋肉を強化するようなメニューを持ちません。また、一対一の勝ち負けを考えないので、勝負とか、試合と言ったものがありません。
 播磨陰陽道の武術〈御式神内こしきうち〉は、武装した多人数の敵を相手にひとりで戦略を立てて戦います。たったひとりの敵に多くの時間をかける種類の武術ではありません。
 御式神内では時間配分を重要視します。

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