見出し画像

播磨陰陽師の独り言・第467話「グロテスクな食べ物」

 世の中には食い合わせの悪い食べ物と言うものがあります。鰻と梅干し、スイカと天麩羅……などが知られています。まぁ、これは迷信なのかも知れませんが、ある時、大阪の天麩羅屋さんで、スイカがついてきてビックリしました。
 驚いて、お店の中で、
「これってスイカだよね」
 思わず妻に尋ねました。さすがに鰻屋さんで梅干しが出された経験はありません。
 鰻屋さんと言えば、門司港の谷町に鰻屋さんがあります。一度、食べに行きましたが、とても美味しくいただきました。
 鰻は関東では背開きにし、関西では腹開きなので、まるで正反対ですね。鰻は好きですが、どちらかと言うとはもの方が美味しいと思います。鱧も鰻も見た目はグロテスクですね。
 博多で見たワラスボと言う魚は、まるでエイリアンの初期段階のような姿をしていました。ワラスボ味のインスタントラーメンも売られていて、以前、東京へ行く時に土産に買いました。
 エイリアンの次の段階……顔にひっつくやつに似ているのはウチワエビ。これも美味しい甲殻類のひとつです。姿がひどいものは、どれも美味しいと思います。
 姿と言えば、外国人はたこを怖れるそうですが、蛸も美味しい生き物です。二十代の頃、淡路島へ行って蛸の天麩羅を食べたことがあります。その時、お店の人が水槽を差して、
「どれが良い?」
 と言ったので、意味も分からず手前の蛸を指差しました。
 すると水槽から蛸を取り出し、足をポンと包丁で切ったのです。足はすぐさま天麩羅になりました。新鮮な蛸の天麩羅は思っている以上に美味しかったです。
 梅田でいつも行っていた天麩羅屋さんの板さんは、
「蛸や烏賊などの軟体動物は、天麩羅にするのは難しい」
 と言っていました。
 グロテスクな生き物と言えば、なまずもあります。鯰を食べる時は少し抵抗がありました。名古屋で食べました。淡白な味わいで、見た目と違って、なかなか美味しかったのを覚えています。見た目で食べるのを嫌うのは仕方ないですが、騙されたと思って、チャレンジしてみてください。

  *  *  *

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?