かけがえのない私なんていらない

私じゃなきゃだめだなんて言わないでほしい。そして私は絶対に、あなたじゃなきゃだめだなんて言わない。いつでも好きに消えてください、利害が一致しなくなったならば。必要なときだけ、必要としてください、でも、消費したら私のことは忘れてください。

誰かにとって替えがきかない存在であることは呪いだ。私はいつだって自分のタイミングで自由に消えたい。
かけがえのない私が誰かに必要とされているということは、相手を気にかけてしまえば、この世界に縛られる理由になる。関係を簡単には消滅させられなくなる。
もし、私がいなくなっても代わりにあなたを支えてくれる人がいるなら、それ以上の救いはないのだ。

求めてほしいと思うこともやめた。繋がり続けるために、人に縋ることは絶対にしない。気に入られたくて、捨てられたくなくて、演じてしまうから。そういうのは、もうやめにすると決めた。生存するために自分を殺すのはやめた。引き止めないよ、駆け引きになんか乗らない、だからもう、誰も私を思い通りにできない。

この言葉、私が今まで言ったことも、私のもとを離れて、私だけが忘れられて、だれかの血肉となって、思想や、感情や、口癖の中に残りますように。

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