眠りについての考察(暇なので)

眠れないときはたいてい、気分がたかぶっているものだと思っていた。今日はとてもおだやかにまぶたが重いので、今から眠るものだと思ったのだけど違っていたみたいだ。

眠っている状態と起きている状態は切り替えるのが難しい。五感がいつもより独立していない感じがするし、呼吸の仕方も違う気がする。

眠っているときはどこか別の空間に接続して電流のようなものを流されている感覚なのに、枕も布団も身体に直接は触れていない。どこかにつながりながら、いつも生活している世界からは少し浮いているのだ。

眠れないときは浮遊し損ねているときで、眠ったのに寝た気がしないときは別の空間につながり損ねたときだ。そうに違いない。

夜は液体だし、幸福も液体だと思っていたし、液体なので注射できると思っていたけれど、今の私には、夜はそんなに特別なものではなくなってしまった。幸福はセロトニンとかオキシトシンとかだと思う、よく知らないくせにそう思う。

だからうまく眠れなくなってしまったのかもしれない。体の中を、日中に生活しているときとは別の液体で満たして、眠りに接続しやすくする必要があるのだ。あの感覚は忘れてしまった。

感情も感性も何もかも脳の中でなにかよく知らないものが反応していることにして、乾いている自分を許していたら、私の眠りだと思っていたものはなくなっていた。そうか、眠りはもともと共有物で、しかも液体と親和性が高いものだったのか。失敗したなぁ。


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