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絵本の英語版を読んで結末ちゃうやんと一瞬思ってしまった。


この絵本のタイトルは、
I WANT MY HAT BACK
日本語の題名は、
どこいったん 
コテコテの関西弁で長谷川義史訳
となっております。

私は、わけあって中学校の英語の文法の勉強をしていてます。
現在完了形のお勉強中にたまたま
図書館でこの絵本を見つけました。
この絵本は、いきなり表紙の裏のページに
A bear has lost his hat.
と、書いてる。正に現在完了形、
過去から今もずーっと帽子をなくした状態が続いている。現在完了形の継続です。

まず最初にこの熊さんは、
My hat is gone. と言ってます。
私が訳すと
私の帽子がなくなってしまった。とすると思うのですが、
長谷川さんは、
ぼくのぼうし どこいったん?
と訳しています。
この絵本の日本の題名も
どこいったん です。
ここでちょっと関西弁ネイティブの関西弁の使い方をレクチャーしますと
物をなくして探せない時、
周りの人に
私の携帯どこいったんやろ。と聞きます。
その時
携帯は、自分で歩いていけへんで。なんて返しは論外でおそらく関西人なら言いません。
知らんがな もしくは 携帯鳴らそか?
この二択です。おそらく。
つまり物をなくして
その物を主語にしてどこいったん?
これは、関西人なら日常的によく使う言葉です。
本来なら、
私の携帯を主語にするなら
私の携帯、どこにあるんやろ。が正解です。
が、関西人は、例えば
私の財布、どこいったん?
となるわけです。
これ、独り言でも言ってしまいます。
そして
この"どこいったん"が最後の最後に効いてくるのです。

絵本に戻ります。
Have you seen my hat ?
でました!
現在完了形
あなたは、ぼくの帽子を見たことがありますか? となりますが
長谷川さんは、
ぼくの帽子 どこいったん?
と訳しています。
この問いの答えは、
No, I haven't seen your hat.
なので 現在完了形の否定文です。
いろんな動物に、ぼくの帽子どこいったん?と
聞いて回ってみんなに知らないと言われてしまいます。
この熊さん、
My poor hat.
ぼくの可哀想な帽子 と嘆いているのですが
帽子を擬人化しているので
どこいったん。は、あながち関西弁ティストだからとは限らないかもです。

ネタバレしてしまいますが、
結局、
帽子なんて知らんで
帽子なんかとってへんで
と言ったうさぎさんが被っていたのを熊さんは、思い出します。
で熊さんは、うさぎさんの元に戻って
帽子とったやろ。と
そして
英語原作では、リスが熊さんに
Excuse me have you seen a rabbit wearing a hat?
と聞きます。
ここを長谷川さんは、
あの、ちょっと
ぼうしかぶった うさぎ どこいったん?
と訳してします。

帽子でもうさぎでも
どこいったん?と聞く関西弁。
上手い。

そして英語では、
I would not eat a rabbit.
と答えます。
ぼくは、どうしてもうさぎを食べたりしなかったよ。
would not どうしても〜しようとしなかった。なのですが
長谷川さんは、
うさぎなんか さわったこともないで。
と訳していて、マイルドになっていますが、
熊さんがうさぎさんが被っていた帽子をちゃっかり被っているので全体から、なんとなーくもしかして食べちゃた?
と想像させる終わり方です。

原作を読んでみて
英語圏の文化と日本の文化の違いも感じます。って...ちゃう。ちゃう、今回そこちゃうねん。

物を探す時も
人を探す時も
どこいったん?と言う関西弁の面白さとこの絵本の面白さがうま〜く融合していてそこを活かす長谷川さんの訳だと思いました。

まだまだ英語版の絵本を借りたので
次回に続きます。



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