脚本の話(プロット編)

僭越ながら、脚本の話をさせていただきます。

とはいっても、脚本の書き方を学校で学んだわけでもなく、そういう学校をでたわけでもなく、師匠がいたわけでもないので、この話は独学であり、これから、書こうと思う人にはあまり参考にはならないかもしれませんが、こんな書き方もあるという一種として見ていただければと思います。

ではまず、大前提で、プロデューサーがいる現場である所からスタートしましょうもし、これが、自分プロデュースの場合、別にプロットなんてなくてもなんとでもなります(きっと)

脚本にはまず、書き始めるにあたって、大まかな設計図的なものを作るわけですけど、私はこれを

プロデューサーに見せるラブレター(的感覚!)

って思ってます。だって、コレを面白いんじゃない?ってならないと次にまず進めないわけですからね、この中で特に気にするべきはあらすじにあるのではないかと思います。

このあらすじはお客さん目線でもあると良いかなと思います。それでは、実際に提出したプロットを例にして解説していきましょう。ちなみにこれはファンタジーなので、現代劇よりちょっとややこしいです。

キミとボクとの壊れた世界 プロット キャラクター表
脚本、吉川ひろあき
<世界観と概要>
ここは地上に残された最後の楽園。
突如として襲いかかった天変地異(火山活動)を境に、世界が変わってしまった。
光を失った人類は、光を求めて空を目指し塔を建てることにした。
空を目指すことができた者、その場にとどまることしかできなかった者。
その 2 つがやがて格差、身分の違いを生み出す。
マスター>ウェルス>ソーレス>スレイヴと分けられることになった人類。
やがて、スレイヴと呼ばれる彼らは奴隷へと変わってゆく。
階級によって区別される事により、世の中が循環していると思っている。ウェルス
いつかは、塔の上に行けることを願い、貧しくも日々の生活をおくるが、ソーレス
綺麗な服を与えられ、体調も管理されるが、人としてでなくモノとして扱われるスレイヴ
スレイヴが仕える、マスターという存在。
運命を受け入れた者、それに抗おうとする者。
それぞれの想いがぶつかった時、世界が動き出す。

はい、まずはこちら、世界観と概要って言ってますけど、要はあらすじですよね。これは、このあとこのまま、フライヤーやら、宣伝に何度も使われる文面になります。

何でしょうね、中二病感漂ってますか?大丈夫ですか?!

はい次に書くのはこちら

<スレイヴ設定概要>
 スレイヴ達には親もいなければ名前もない。
 仕えるマスターから呼ばれる名前を名前として認識するが、基本は名無し。
 奴隷である以上、簡単に死なれては困ると考えた国家が、不老不死の実験をする。
 実験は成功し、ありとあらゆる病気に強い体を手に入れることができたが、その反面、
 制約があることが判明した。
 その1、本当の幸福を知る。感じる。
 その2、恋をした時、や、例えば、自分の子供をその手だ抱いた時。
 不老不死の力と引き換えに、幸福を感じると死ぬというリスクをかせられた。
 つまり、恋というものができない。

この世界観の中を理解するために必要な設定概要をプラスします。これは、ファンタジー要素のあるものであれば、理解が追いつかないので、書いておいたほうがいいかなぁと思います。

次はこちら

<登場人物>
女、イヴ
スレイヴ。推定年齢 18 歳。本が好き。嘘を嘘だと思わない。素直すぎることが玉に瑕。
普通なら嫌な顔をするが彼女は笑顔だ。全てを無にするくらい笑顔。
だが、それの代償に髪の色が抜け落ちシルバー(金?)
名無しに困ったルイにイヴと名付けられる。
この世には星っていうものがある。キラキラと夜空に輝き、たまに弧を描くように流れる星もある、そんな星を見た
ことがない。この世にはこんな綺麗なものがある。
「私がいつも行くところはね、まだ、薄い雲に覆われてるんだ、地上よりかは、明るいけど、まだまだ、薄暗い。
おじさんから聞いたんだけどね、空にはね、キラキラ硝子みたいに光る星っていうのがあるんだって。
それがたまに雨みたいにぴしゃーって光りながら流れるんだって。一度でいいから見てみたいなぁ。」

イヴ幼少期
スレイヴ。推定、10 歳前後。
髪はまだ、黒い。
「お星さま、見てみたいな。何もない真黒なお空に、ぴしゃーって光が流れるんだって。」

男、ルイ 
ソーレス。年齢 22 歳。
生まれた時からソーレスにいた。字を書けない人の為に代わりに書いて、渡す。
手紙士の仕事を生業としている。
仕事の時にだけ、塔を登ることができるが、
まだ、明るい雲の上には行ったことがない。
階級で管理される事に疑問を感じてはいるが、一歩踏み出せないでいる。
勉強家で、色々な事を広く浅く知っている。
塔の中でであったスレイヴ(少女)の名無しに困った末に、イヴと名付けることにした。
当たり前だって昔らか言われていたけど、なんだか、それが変に思えてきた。。
「運命ってのはいつも気まぐれで、残酷なんだ。」
徐々に、イヴに惹かれていく

男、ドヴ 
ソーレス。ルイの一番の親友であり、一番の理解者。
彼の仕事は、空が見えないことで時間のわからなくなった街に鐘を鳴らせている。時報屋
(実は、ドヴの父親はカルビン)
自分は望まれずに生まれてきたのだと小さい頃から言われてきた、自分を捨てた父親はクソ野郎だと思っている。
身寄りの無い分、ルイが一番の頼れる存在。
父であるカルビンはドヴを授かったとわかった途端に、その時の彼女を捨てたのだ。
彼女には少しでも長く生きて欲しかったから。
その彼女は、ドヴを産んで、間もなくして亡くなる。
ドヴはカルビンの息子。本人はその事実を知らない。
かつて、ドヴは階級 0 のスレイヴだったが、どういう訳か、ソーレスの階級まで昇給する。
スレイヴが認められれば抜け出すことのできる?という説を彼が作ったのだが、彼がスレイヴを抜け出せたのは、
マスターのカルビンの存在があったからだ。
彼はその事実を知らない。

女、ダナー
ソーレス、反逆者。
自分が貧しいのは、この格差社会のせいだと思っている。
今の社会をぶっ潰そうといる。
トレスティンらに危険人物として目を付けられている一人。
格差や、差別を口にする。
実はスレイヴが嫌い、女という武器だけで、綺麗な服を来て、、私たちよりも下なはずなのに、奴隷なはずなのに。
自身が格差を口にしていながらそれを言うこと。彼女はいつか、気づくだろうか。
「全てが雨の日ばかりじゃない、いつかは、空が晴れて、、、ほんの少しでいい、ほんの少しの何かさえあれば」

男、カルビン叔父さん 
マスター。推定年齢55歳。目が見えない。口のうまいおじさん。イヴに癒される。
その対価として本の知識を与えている。
マスターではあるが、鼻に付くような言動はない、むしろ、印象としてはすごく良い。
かつて、昔、スレイヴに恋をし、子供まで授かった。
が、スレイヴの子の父親という立場を捨てなければ、その子供を救うことができなかったため、父親という存在を
隠し、子供を捨てた。
話としては、酷い父親という印象だが、妻を亡くした上に、子供を見捨てることはできない、苦肉の策。
「死んだ母さんの事はしっかりと覚えてるよ。好きな食べ物、何度も何度も繰り返す好きな話、
好きな場所、好きだった所、なんでもじゃ、けどな、唯一思い出せなくなった事があるんだ、、声だよ。 
人は真っ先に忘れるもの、それは声なんだよ。だから、今のうちに、生きてるうちに聞こえるならちゃんと聞いてあ
げるんだ、その声を。今、ワシは目が悪いから見ることができない、聞くことしかできないだよ。
忘れられた方も寂しい。けど、実は忘れることはとっても怖くて、寂しい事なんだよ。」
「涙はもう何十年も流してない。涙を流す必要なんてないさ。
知ってるかい?水は蒸発して雲になって雨になって地上に戻ってくるまでに約80年の歳月がかかるんだ。
80歳だよ、あの頃流した最初で最後の涙に会うのは。そう考えると、わしも、まだまだだなって思えるんだよ。」

男、トレスティン
ウェルスの中でも上層部。
身分の違うもの同士が交流することを酷く嫌がる人。
身分が人を分類し、それがステータスだと思っている。スレイヴ達は道具としてしか見ていない。
「道具も手入れが必要だろ、綺麗にする事が大切さ。けど、どうせ、使い捨てだ、ボロくなった雑巾は捨ててしま
えばいい、まだ他にも道具はあるさ。」

男、グラエム
トレスティンの腰巾着。ウェルスの中では下の下。いつもペコペコしているが、
自分より下の者には横暴な態度を取り出す。
いつか自分も、上の世界に行けることを願っている。が、そんな日は彼には来ない。
「トレスティン様がダメということはダメなんです!はい!それもダメー!これもダメー!
黙っていて良い事なんてないんですよどうせいつかはバレるんですから今のうちに言ってしまったほうが
身の為ですよ。まぁ、今言っても後で言っても処罰は変わらないんですけどね」

男、ギル
彼はスレイヴでもなければ、マスターでもない、それは、生まれてすぐに捨てられてしまい、親もわからぬまま育
てられたため、彼にはもともと階級すら存在しない。
もしかしたら、スレイヴよりも下の位置があったりするのではないのだろうか?
普段は、ヒソヒソと町の鍵屋をやっている。闇市に行っては、普段はなかなか手に入らないものを仕入れている。
ソラの元で、相方のマシューと共に良く世話になっている。
「君には、階級があるんだろ?生きてるって誰かが認めてくれてるんだろ?階級があるだけいいじゃないか、そ
れが、君がここにいるって理由にもなる。俺には、階級なんてない、君よりも下かもな。
一番下なら、それでいい、これより下に行くこともないからね。」
ソラの事が好き。

マシュー・アルバード
ソーレス
ギルの右腕
ギルにあこがれを持っている。自分はソーレスで身分はあるが、ギルはない、けど、強く生きている。
自分もそうなりたい!
ギルの右腕!と自分では言うが、着いていってるだけ。
花に詳しい。
たまたま出会ったアルたちを不憫に思い手助けをしてくれる。
「ありがとうなんていいんだよ。誰かの為にならない事は自分の為にもなってない。
最後、最後でいいんだよ。最後に何かでっかいことやってもらうその時まで、貯めてるんだよ。
だから、今日のことはぜってぇ忘れんじゃねぇぞ!」

女、ドクター・ニコス
スレイヴたちの体調管理をしている医者。
かつては不老不死の研究をしていた。
表向きは、面倒見の良い頼れる存在だが、笑顔とは裏腹、マッドサイエンティスト?
過去にスレイヴを使った人体実験の末、今の不老不死を作り上げた。

女、ソラ
ソーレス、元歌手。
かつてはウェルスの住人だったが、歌うことができなくなりウェルスを追放された。
唯一、空見たことがある。
見たことがあるといっても、本当に1度だけ
優しい性格だが、どこか抜けている。いろんなものを拾ってくる癖がある。
「青くて、ところどころ白くて、あれが曇って言うのかな~って。
太陽は、、、まるいのかな?目が痛くて見てられなかったよ。あの景色、もう一度見てみたいなぁ。」

女、アム 
元スレイヴ、現在不明、天変地異の時に負った後遺症により記憶が1日しか持たない。
寝て、起きると、記憶は天変地異の起こったあの日の一日前に戻ってしまう。
かつては、スレイヴとして、管理されるはずだったが、後遺症のせいでスレイヴさえも捨てられてしまった。
身寄りが無かった所をソラに拾われ、それ以降、ソラの元に一緒にいる。
イヴと同じく、不死身。
恋をする事もない。だって、記憶は 1 日しかもたないのだから。
故に、アムは死ぬことはできない。

女、マカロン
スレイヴ、甘い誘惑、甘い言葉、から付けられた。お菓子のマカロンから付けられた。
彼女は嘘が多い、嘘が多く、何が真実なのかも彼女にはわからなくなってしまっている。
少々高飛車なところもあるが憎めない存在。
実は彼女の仕事は誰も知らない。何を生業にしているのかも。
「真実は一つなんてつまらないじゃない。真実は無数にあるの私はそのうちの一つを言ってるだけ。
嘘なんて誰が言ったのさ。嘘って言ってるそいつが嘘つきなんだからね。
嘘をつかないよって人のほうが信用できない。」

女、アシュリー
Dr.ニコスのアシスタント。
ニコスと一緒に、スレイヴ立ちのケアにあたるが、スレイヴたちの扱いをおかしいと思う、これはいいのか?人間
の尊厳とかそういうものの類ではない。
「そうです、何かあったら責任を取るのはあなたです、私ではありません。だから、言わせるだけ、言わせてくださ
い、聞かなくたっていいい。だって、おかしいじゃないですか。こんなの。」

男、ゼロ
ウェルス、殺人鬼。
自分より下のもは当然のことのようにゴミ扱い。
殺すということに躊躇いがない。
昔、受けた恐怖心から暗いところが無理。

登場人物の設定を書きます。この時、私はメモのようにその役に言わせたいセリフ(その役の象徴のようなもの)を添えます。これは、例えば、オファーをかけるときなどマネージャーさんに通してアピールする場合この役をお願いしたいを伝えやすくするためでもあります。もし、端役のような訳でも、このように、言わせたいセリフがあるとその役の目的意識がはっきりしていて少ない役どころでもちゃんとした印象として残す事ができます(文字ズラだけどね)

登場人物が多すぎると、目的意識がわけのわからないキャラクターが出てくると思います、お客さん目線で見ていて、あれって?必要?って思うキャラクターです。そう、その役こそ、目的意識が文字の時点で薄いキャラクターだ!って事です。目的がないとキャラクターは死んでます(ちょっとヒドイ言い方)その点に気をつけて一人一人にちゃんと肉付けをして行きましょう

きっと、全キャラクター愛せるはず!!!

はい、なんとここまでです。

プロットを書いたことがある人ならわかるとおもいますが、話のおおまかな流れが記されていません。そうなんです、この時は、まだ、オチは決まっていましたが、流れを決めていなかった為ここまでしか書く事ができませんでした。

しかし、これでも一応、プロット(企画書)としてアピールする材料にはなります。私はこれを最低ラインのプロットとしてと毎回書いてます。

大体いつもここまでで提出してしましますが(突っ込まれると汗が出ますが)

プロットでも案の定、書いてるうちに微妙に変わってきたりします。それは、脚本あるあるらしいので(誰かに聞いた)少々は大丈夫みたいです!(きっとね!!)

きっとここまでなら脚本を書いてみたいけど踏み切れない人!ならできるはずです。ここまでできたらイメージは半分組みあがってます(きっとね)

本日はここまで!!!今度は、書いてみよう編を気が向いたらやります(笑)


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