見出し画像

インポスター症候群とは?これって私のこと…?読書記録。

初めて聞く言葉だった。

図書館で心理学関係の棚を見ていたときに目に入った本。パラパラとめくるとSNSという言葉が多かったので、今時の若者のたちに関係することなのかと思い、軽い気持ちで借りてみた。

小高千枝『本当の自分を見失いかけている人に知ってほしい インポスター症候群』

インポスター症候群とは、「自分の能力や実績を認めることができず、周りから評価されることに対して、騙しているように感じてしまう心理状態」のことだそう。

実は40年以上前から調査、研究されている概念とのこと。調査対象がその当時に社会的に成功している女性だったこともあり、日本にはあまり馴染みがない概念で、これまで知られてこなかったのかもしれない。

 インポスター症候群に陥ると、なぜ人を騙しているように感じてしまうのかというと、「自分が思う自分の能力以上に、周りの人が自分の能力を高く評価している」と感じてしまうからです。周りから称賛されても、「本当の自分は違うのに」と感じてしまい、自己評価と他者評価のギャップに苦しむわけです。
 なぜそのように感じてしまうのかというと、…自分に自信が持てなかったり、自分を過小評価してしまったりするからです。

小高千枝『本当の自分を見失いかけている人に知ってほしい インポスター症候群』


SNSではインスタグラマーなど、もともと一般人であった人が急に注目されるようになったり、爆発的な人気がでたりすることもある。自分の努力というより、何か見えない力に一気に押し上げられて有名になってしまったことで、世間の評価に自分は本当に見合う人物なのだろうか?と悩み、インポスター症候群に陥りやすい、とのこと。


私はもちろんインスタグラマーでもないし、バリバリの仕事キャリアもない。世間に名前を知られていることもない。


公認心理師。

この資格ができたときは、本当に本当に嬉しかった。ありがたいことに、職場の経験を認めてもらい、現任者として講習を受け、試験を突破することができた。

それでも、私は大学院には行っていない。もちろん、臨床心理士の資格もない。ただ、大学で心理学を専攻したというだけで、実習経験もない。カウンセラーのノウハウなんて学んでいない。

だから、公認心理師の資格を取って、少しは自信になったけど、やっぱりどこか人を騙しているような気がする。

自己肯定感が低いせいだと思っていた。HSPのせいだと思ったいた。でも、このインポスター症候群という概念を知って、あ、私の気持ちってこういうことなのかも、と腑に落ちた。



HSP気質はうまく付き合っていくしかなさそうだけれど、インポスター症候群は自己肯定感を高めることで克服できるそう!


その方法としてこの本には、人生脚本の見つめ直し、リフレーミング、メタ認知コントロールについて詳しく載っている。日頃から心がけておくことも実践できそうなことばかり。これを読んだだけでも、なんだか自分のことを前向きに考えられそうな予感がしてくる。


この本と出会うちょうど一週間前に、私は週に一度カウンセラーとして職場復帰することを決めた。
カウンセラーという肩書きは置いておいて、とにかくそばで見守りたい、卒業を見届けたいと思ったから。カウンセリングなんてできなくても、ただ、隣りにいるだけで勇気づけたり、安心させたりすることはできる。それだけでいい。
息子の小学校に毎日付き添って行くことで、そう感じられるようになった。
この本を読んだことで、より安心して、力を抜いて、仕事復帰ができた。


この本で著者は、メンタルヘルスの不調の未然防止のためにカウンセリングを活用することがもっと普及してほしい、と言っている。

なるほど、カウンセリングって不調を治すだけではない。心の調子を整えるために使ってもらえばいい。そんなふうに、気軽に、生徒たちにカウンセリングの場が与えられたらいい。


私自身の癒しにもなり、今後の仕事にもとても勉強になる本だった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?