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僕らはお互いに手が届かない背中のどこかにあるボタンを、他者に押してもらって、社会になると思うから、この作品が好き。

一方で、私の中には拭い去れない疑問もあった。
親のエゴなのかもしれない。押しつけなのかもしれない。
自閉スペクトラム症のハトちゃんは世界と繋がりたいなんて思ってないのかもしれない。
だのに、母親の私がどんどん言葉を投げつけて吸収しろと強いているだけでは?

私は考えれば考えるほどよく分からなくなって、学習を進め続けるのか決めかねて日々を過ごしてきた。

https://note.com/35_7373_139_674t/n/n6edbd4387edf

ハトちゃんの個性も努力もほとんど知らずに、発言します。批判ではなく、異なる視点を信頼とともに目の前に起きます。

僕らは気がついたら歴史や社会や文明の中に放り出されて、失敗したり、叱られたりしながら、言葉を含めて覚えます。

どの子も、言葉を獲得する前に、「自分の人生に必要なことだから教えてください」と周囲の大人にお願い出来ませんよね。

私はしてません。
未成年の、まして幼い子なのだから、しないと思う。

教育も文明も、スタートは「おせっかい」かもしれない。その子の未来を信じた大人たちの贈り物は、押し付けがましいかもしれません。
それを、どう受け止めるかは言葉を獲得して、本人が言葉で考えますよね。​​​​​​​​​​​​​​​​

教育の結果は、数十年スパンだから正解が分からなくてしんどいことと、ハトちゃんがお持ちの個性や特性が複雑に関係するから、極めて悩ましいと思います。
だけど、それでも言葉を、ハトちゃんの心の早さを尊重して、考え抜いてくれる親御さんの存在は、ハトちゃんの原風景だから、一生を温かな光で照らしてくれると私は思います。

一言にすると、愛だと思う。
それは親子や家族の愛に加えて、教え導き育む関係性もあるから、とてもとても強くて深い愛。


これはハトちゃんの人生の冒頭だけど、小説であれば、ハッピーエンドの気配がしませんか。個人的な経験なのですが、何があっても一緒に考え抜いてくれる大人がいてくれると、子どもは大丈夫なことが多いです。

10年くらい経って大人になったハトさんが、うみうまのDNAをギリシャの遺跡で見つけるなど、旅の続きを楽しみにしています。いや、祝福しています。


例えば、「口が上手い」は褒めてません。語彙の多さや使い方が巧みでも、他者を操作や利用する怖さを理解しないのは賛成できません。

助けを呼べないことも、語彙も、独りで立ち向かわなくていいと思うのです。生成AIもある。彼らは分かるまで説明してくれます、疲れないヒト達なので。ハトちゃんは、既に仲間と持ち寄るものがあるから、ますます大丈夫に思えるのです。

大丈夫。

#創作大賞感想


ハトちゃんにインスパイアされた、私の中の、うみうま。

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