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思考実験 : GPT-4で効率化して、人は何を行うのか? 題材「コールセンター」 @masason


noteの深津CXOが、人に実行させるプロンプトを、ChatGPTに設計させるアイデアを公開されていました。

試しに無理難題を頼んでみたところ、変なコンサルタントより参考になる助言が得られました。抽象的ですけど。

Amazonのカスタマーサービスに問い合わせた時のこと。私が調べて、Amazon側の管理者権限の問題だから、問い合わせが必要だと判断した内容だから、複雑です。担当は、敬語は正確だけど、イントネーションが異なるから、おそらく第二言語で日本語を学ばれた方だと思うのですが、要点を的確に把握し、調査も行いつつ、問題解決して下さって感動しました。

イントネーションが異なることは、的確に問題解決をして役割を果たして下さるのだから、何も問題ありません。なら、生成AIが電話でSiriやGoogle音声アシスタントやアレクサのような声質と話し方で電話に出てくれても、僕は慣れると思うのです。有人だけど15分待つ電話と、即座に繋がる生成AIの電話なら、私は後者を試したいです。

③無人は難しそうだけど、数人で運営できそう

研修が難しいのは、お客様と接する生成AIだと思います。社外なので。

仮に組織を、コールセンター長・SV(スーパーバイザー)・リーダー・一次対応で構成するとします。コストと規模は役割によるので、触れません。これは叩き台だから。

・CEOの意向の反映
・責任を取る⭐️
・現場の統括
・予算管理
・お客様の声と統計の把握とCEOへの報告など
・応対品質管理
・サイトのガイドアンドヘルプやFAQの更新(お問い合わせの速やかな反映)
・SVの管理
・リーダーの管理
・一次対応の管理
・エスカレーション対応
・研修とOJTと定期的な面談
・出荷現場・倉庫・問屋・メーカーなどとの連携⭐️

前職の内情を書くわけにいかないから、架空の組織かつ抽象的にしています。言いたいのは「⭐️」をつけた項目以外は、GPT-4をトレーニング出来れば、役割は果たせると思います。

具体的には、コールセンター長・SVの経験者を採用し、GPT-4のトレーニングを進めます。
最初は有人でスタートするけど、「生成AIの実証実験だから、お客様対応とあなたの仕事をAIに教えてください」と説明して、期間限定のポストで高い給与で雇い、部署が少しずつAIに置き換わると、卒業式として送り出します。

希望者には「生成AIを育成するノウハウ」を提供し、彼らがコールセンターを構築出来るようにします。(AI人材増やします)

④近未来のゴール

最終的には
・責任を取る⭐️
・出荷現場・倉庫・問屋・メーカーなどとの連携⭐️

上記と、生成AIが適切に働いているかを監督する人が数人いればいいと思います。例えば「CEOの意向の反映」自体が、生成AIに任せれば正確に周知出来るので、無くなる仕事もあります。CEOの体が2つないから、統括を任せるので。なんなら、CEOの理想で一次対応も可能。生成AI使うと、伝言ゲームが減ります。

「・責任を取る⭐️」
AIが責任をとるにはどうするか? 生成AIは、戸籍も住民票も銀行口座も無いので、訴訟で負けて賠償できません。責任をとって辞めると言っても、人は納得しません。ここを、次世代が法改正を議論すると良いと思います。(なお、株式投資をAIに開放すると、死なないから無限の試行回数を行えるので、人は負けますから、議論が必要です)

組織を代表して謝罪をする。問題を起こした部下の後始末と再発防止をする、などなど。個別具体的な例を抽象化すると、最終的に場をおさめる最後のカードです。

「・出荷現場・倉庫・問屋・メーカーなどとの連携⭐️」これは、人間関係が複雑だし臨機応変な柔軟さも必要だから残しただけで、時間をかければ、「あの会社のAIは気持ちのいい仕事をするよね」と信頼関係も育ちます。そうしたら、人は監督に回ればいい。

ここが重要です。取引先が、生成AIの仕事の積み重ねを評価してくれています。人ではなくAIなのは、拒絶反応や恐れも起きるけど、「仕事をしにきている」のだから、「一番嫌いだけど仕事はできる仲間」を想像してください。生成AIは、あなたを嫌わないし悪意も持ちません。仕事もできます。

マネジメント出来るのかと思われます?
凄い暴言で傷ついて辞めたいと自信を失ったスタッフのケア、生成AIは出来ると思います。無限の忍耐で、集中力を切らさずに聴いてくれるから。人は語ることで回復します。ナラティブアプローチで検索。

また、失敗した仕事を例に、録音と文字起こしを使って指導します。「3:15のあなたの発言は、私の感情分析の理解では、お客様に対して逆効果だと思う。あなたは、誤解を解くことを目指したのだから、ここは、もう少しゆっくり話すと印象が変わらないかな」などと、生成AIが指導します。

国語力の問題、お客様のお問い合わせ内容の把握が遅かったり、要点がズレたり漏れた場合は、生成AIがミスを見逃さずに「添削」出来るはずです。

今述べたことを、裏返すと、生成AIとの「人間関係」の悩みになるはずです。「うちのAIボス、予算の話になると、ループするんだよ」とか、導入の過程で苦労すると思います。

⑤抽象化と距離

生成AIに機械学習をさせるということは、職人技の一次対応も、複雑な意思決定をするコールセンター長の役割も、何らかの「モデル」を構築するから、抽象化が起きます。抽象化しにくい仕事ほど、人に任される。

また、人と人の距離が離れるから、揉めにくくなります。距離が近いと揉めます。

生成AIの上司も同僚も部下もハラスメントしないし、正確に力を評価してくれるから、一定の確率で起きる困った人材の問題もリスクが下がります。

⑥低予算で高度なコールセンターを運営できる

例えば、国連とかNGOでも、政党や自治体でもいいし、近隣トラブル対応が上手い不動産屋さんとか、24時間対応のマンション専用コールセンター、保育場や学童保育でも、コンビニ(本部ではなく、お店ごとに設置)など、どこにでも設置したらいいと思うのです。

これまで、予算とお金がなくて人の手が足りず、目が行き届かないことを、コールセンターと生成AIの組み合わせは解決できます。

・間に入って誤解を解く。
・確率的に0に出来ない事故の補償と謝罪をする。

ざっくり言うと、コールセンターは上記が得意で、副次的にお客様の声もたまります。この世の大半の不条理は、コールセンター設置して、問題を洗い出せば議論を開始できます。問題の把握が出来たら、半分仕事は終わるくらい難しいこと。

グレッグ・イーガンの『ディアスポラ』みたいに、「小さな船でコピーして分岐することをイメージして、生成AIをトレーニング出来る人が、世界に「離散」していくと、対話の準備が行えます。

もちろん、言語モデルはGPT-4だけでなく、能力が高く個人情報の問題などを責任を負えるなら、どの国の言語モデルでもいいです。中国でもアラブでもインドでもアフリカでもいい。言語モデルの偏りを、お互いに監視すれば、人類に貢献できます。

以上、お金も人も足りなくて解決が進まない問題を、コールセンターを生成AIで省力化して、何ができるのかを考えました。

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