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テロ・ヘイトクライム・無差別殺人・無理心中・介護殺人が起きる理由は何かを読めば、防ぐ手立ても見えてくる。『拡大自殺』(片田珠美著)

拡大自殺が頻発する前に、社会で対応し予防出来ると思うから、読める方は全員読んだ方がいい。日本で暮らすなら、ことに。

・復讐心
・被害者意識
・他責⇄自責
・孤立
・不満

ざっとキーワードを上げました。昭和の中流層が壊れて、貧困と格差の国になったことで、拡大自殺のリスクがなぜ上がるのか、具体的な事例を元に説明されます。

希死念慮について、著者の理論(モデル)を説明する時に「〜と言えないことはないだろう。だから」といった形で、けっこう強引な展開をする面があり、困惑しました。でも、理論だけでなく、精神科医として患者と察していることからくる、説得力は認めます。

決して愉快ではない、拡大自殺の事例を読み解いて整理分類する点には頭が下がりますし、無理心中・介護殺人に関しては、貧しくて身動きが取れなくなり、1人の人が抱え込んで抑鬱状態になって……という、危険なパターンを描き出していますね。ここは、行政の福祉サービスが孤立させないようにすることで、もっとも改善しやすい「拡大自殺」だと思います。反社会的な人達では無いので。

テロ・ヘイトクライムは、鬱憤や被害者感情と、本人が自覚できないと著者が指摘する復讐心があれば、今後増えて不思議はないと思います。かつて日本は治安の良い国だったと、過去形になる可能性もあります。

・復讐心
・被害者意識
・他責⇄自責
・孤立
・不満

私なりの解決法を書きます。「内なる復讐心を探せ」「被害者意識が無いか探せ」「他責・自責ではなく、誰も悪く無い落とし所を探せ」「孤立を避けろ」「不満を解決したり、解決出来ない不満のことを話せる人を持て」「復讐心と被害者意識を見つけたなら、それは本当に復讐すべきなのか、被害者意識を持つべきなのか疑え」

客観と主観のズレを起こすことも要因だから、自分の主観と客観を適度に疑え。

何より「正義」が心の中に現れたら、警戒し、「正義」を疑え。

私は理性・理解・認知行動療法などが好きだから、適切に疑って、受け止めを変えちゃうことが、好みです。

なぜ己と向き合うことから逃げるのか、他責へ走るのか、著者の視点は、分かりやすいです。大量殺人・テロ・無理心中(介護殺人も含む)の、共通点に触れると、拡大自殺が起こりにくい社会をデザインしやすい気がするのです。

👆ヘッダーはフジさんからお借りしました。

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