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FUTATABINOTE

母校の卒業制作展で出会った素敵な卒業制作のリーフレットの表紙です。
その名も
FUTATABINOTE

ワクワクを連れて、もう一度あの場所へ。

訪れたことのある場所へ旅行したい、
そう考えることはありますか?

旅行の目的はいつからか、
実物をみることや写真を撮ることのようになっています。けれども、もっとその場所に興味や愛着をもってほしい。
このふたたびノートは、同じ場所へもう一度旅行するきっかけ作りを目的に誕生しました。

このノートを連れて、もう一度あの場所へお出かけして見ませんか。
(ふたたびノート リーフレット2ページ目より引用)
企画・プロデュースは常川遥香様
写真はAsakoRuna様
プロダクトのカバー製作はIgarashi Rei様
です。
これ本当素敵なプロダクトなので、個人的にとても欲しいです。というか一緒に何かしたいです。

さて、それではデザインを見て行きましょう。
1 スタンプイメージのアイコンデザインとタイトル
(上下のラインは後で触れます)
私はこの表紙を見た時、手紙だ。と思いました。まず、何がどう手紙なのか。
それは一重にこの丸いアイコンとその横のタイトルであると考えます。
この丸いアイコン、縁幅1mm。
さらに1mm内側に高さ幅共に2mmの文字。
また、円の外側に近い文字の上部分は字幅が広く中央やや下のoの文字を起点に扇型になる範囲で収まっています。おおよそ90-100度の間の開きです。(手元の分度器、修正ペンで落書きしてて判別しづらいのです。ご容赦を)
そしてその下のNoteの文字。
こちらはNが9mm、oで3mmと6mmの開きがありますが、oの上部分をtの横線で埋め、Nの筆終わりをoの下側横に持ってくることで、高さを規定しあまり差を感じさせないようになっています。次に小さなeについても同じことが言えます。
恐らく筆記体が元になっているのだとは思います。
そしてその下に1.5mm間隔で引かれた三本の線。この終わりと始まりの長さを3本で揃えないことで、消印らしさ(勝手なイメージ)を生み出しています。
が。
全てが完全にずれているように見えて、終わりの部分で2番目の線を飛ばして揃っているのがポイントです。
これによって、このロゴ自体の安定感を生んでいます。
次にタイトルについて。
こちらは、左揃えの文字なのですが、上の行としたの行でわずかにサイズが違います。
上の行が7.5*7.5、下が9*9になっています。この差によって、Nの終わりが上の字間に来ており、上の文字列と下の文字列をひと繋がりの文章ではなく、ふたたび ノート と解釈できるようになっています。いいですね。こういうの好きです。
さて、文字サイズの話をしたところでフォントの話。
正方形の枠ではありますが、線の太さが均一ではない書体を使っています。
それによって、軽やかさが生まれているのでは。とFranは考えております。特にこのアイコン。文字の大きさは縁の倍だという話を先ほどしました。ですが、この文字の線の太さが(ゴシック体のように)一定ではない事によって、圧迫感を与えないのではないでしょうか。
次に、代表の所属と名前ですが、左寄せのテキストに2mm開けてラインが引かれています。
そして、全体的に小さめの文字。
これによって、伝えたいのがタイトルであることが明確に分かります。そして、何よりこのテキストの位置が良いんです。
次の項へー!
2 視線の誘導
良いデザインには必ずと言って良いほど含まれている、空間の生産。前項で紹介した、製作者の名前から少し視線を下げると、なにやら色付けされた道らしきものが見えます。そしてこのラインは、メインとして撮影されている、物のおおよそ中間部につながります。
そしてその上、本によって、下向きの三角形が生まれていますが、これが指し示すのも同じぐらいの場所。そして、本と地図の外枠の線の間が示すのは、システム手帳の左ページ。
で。ここからがこの写真のサビです。
この左ページ、左端のアイテムでわずかに上がってるんです。
それによってなにが起こってるかというと。
察しのいい皆様ならお分かりかと思いますが……そうです。右ページへの視線移動です。
そして、右下の手と手帳中央部に生まれた角
を結んだ中央部にロゴマークが来ています。
このロゴマーク、リーフレット上部のものとは違って、外枠が二重になっております。
これによって、紙の弛みがわかるのですが、この弛みラインが先ほどのラインなのです。
つまり、視線が必ずと言っていいぐらい自然にロゴマークへ誘導されるわけです!
(サビ終わり)
御察しの通り、Franはこういった、空間を使ってまとめられたデザインが大好きです。
そしてそういう物に出会うと最高に興奮します。
もちろん、色に、アイテムに意味を持たせるデザインも興奮しますが、今回のように空間をうまく使うデザインは、もう別格に好きです。

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