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(日記)マンションの駐車場に入居していたおじさんの思い出

前にも書いたかもしれませんね。名古屋に住んでいた頃の思い出話です。

名古屋在住時は名古屋駅徒歩圏内のエリアに住んでいました。名古屋にお住まいの方なら「駅西」と言えば察しがつくと思いますが、その辺です。当時住んでいたマンションは10階建で、1階がエントランスと駐車場、2階以上が居室という構造でした。

つまり、1階には本来入居者は居ない、はずなのですが、どういうわけかそのマンションは1階にもおじさんが一人、入居していました。ホームレスのおじさんが(たぶん勝手に)駐車場に住んでいたのです。もちろんマンションには管理会社さんが入っていましたが、追い出される風も無く、時々管理人さんとお話されているところも見かけましたので、まぁ迷惑掛けなければいいか…ぐらいの、事実上黙認状態だったのかもしれません。

おじさんはごみを拾い、マンション近くにあったごみ処理業者に持ち込むことで生計を立てていたようで、よくごみを拾っていました。だからマンションの周囲はごみが全然落ちておらず、いつも清潔な状態でした。また空き缶や空き瓶の回収日になるとマンションの住民からごみを「預かるわ」と言って回収していました。回収日でなくても、持っていけば回収してくれたので(それが色々な意味で「良い」かどうかはいったん置いといて)むしろありがたい部分すらありました。

また、おじさんはマンション住民と仲良しでした。マンション内で顔を見たことがあるギャルのお姉さんやバンドマン風の兄ちゃんが、よくおじさんと一緒に酒を飲んでいるのを目撃しましたし、私もおじさんのところに氷結を持って行って、仕事の愚痴を聞いてもらったことがありました。おじさんに仕事の話をしたところで仕方ないのですが、誰かに話を聞いてもらいたいときってあるじゃないですか?そういうとき、おじさんはウンウン言いながら話を聞いてくれるので、とてもありがたかったのです。冷静に考えれば私有地内で路上飲酒しているわけで、とんでもない話ではありますけどね…笑

そんな感じで、マンションの名物みたいな扱いだった1階のおじさん。私はそのマンションに2年間暮らし、その後転職というか独立したのを機に岐阜に引っ越しまして、そのタイミングでおじさんとの関わりは(当たり前ですが)無くなりました。そもそもホームレスの状態でずっと居続けるというのは、おじさん自身にとって良いことなのかどうなのか、考えさせられるところではありますが。冬寒い日になると、おじさんどこかに消えていたので、もしかしたらおじさんには家があって、好きで駐車場に居ただけかもしれない…というのは都合良すぎる解釈でしょう。何であれ、おじさんに助けられた人は私含めたくさんいたことでしょうし、今もどこかで氷結片手に笑っていてほしいなと思っています。

ふと、そんな10年以上前のことを思い出しましたので、久しぶりの日記として書かせていただきました。見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!