トリキバーガーなるもの
居酒屋チェーンの鳥貴族がファーストフードに進出していた。
今は居酒屋チェーンの例に漏れず、厳しい事業環境のもと、苦戦を強いられている。コロナ前(2019年7月期)に659店舗だった店舗数は2021年8月末時点で615店舗と減少。また2021年7月期の既存店売上高は前年同期比58.3%と、厳しい状況に置かれている。
そんな鳥貴族がこのたび、コロナでも好調のファストフード業態に参入した。
居酒屋はいま冬の時代だもんなぁ。
ご時世的なアレは揺れつ戻りつって感じでいつ以前のような状態に復帰するかわからない。
すぐにあの日常が戻ってくる、と楽観視するよりここは別業態へチャレンジするってところがリスクヘッジになるだろう。
8月23日、大井町に1号店をオープンした「TORIKI BURGER」がそれだ。
鳥貴族の強みを生かしたチキンバーガー専門店で、黄色のテーマカラーをはじめ、国産食材の使用、メニューの価格統一など、随所に鳥貴族のDNAが感じられる店舗となっている。
なるほど、チキンバーガー専門店。
バーガーって言えば基本はビーフだけど、チキンも商品としてはアリだもんね。マックだとチキンフィレオ、モスだとテリヤキチキンなんかがおなじみ。
気になったんでメニュー表無いかなって調べたらちゃんとあった。
https://toriki-burger.co.jp/menu/toriki-burger_menu.pdf
おー、美味しそう!
結構バリエーションあるのね。
一番ベーシックなトリキバーガーはいわゆるチキンフィレ。
定番のてりやきもあるけど、他ではあまりみないサラダチキンとかつくねバーガーなんてのもある。
結構良さげじゃない。とメニューを眺めながらふと、気になることが。
記事の中でも触れていたけど、調達コスト、オペレーション効率化を主眼にメニューの絞り込み、価格の統一をしているとのこと。
なるほど。メニューは少ないわけではないけれど、8種いずれもセット価格は590円、単品は390円で統一。
ファーストフードという業態がよく使う、「価格弾力性の戦略」は用いないのかなというところが気になった。
価格弾力性の戦略というのは、簡単に言うとメニューの価格幅のこと。
看板メニューは限りなく安く設定して客寄せをする。
しかし他にも高価格帯の商品も用意して、客ごとのお財布事情やその時の気分によって支払いを増やしてもらうことを狙う。
基本は、バーガーで釣ってジュースを買わせる、のコンボ。
これはトリキバーガーも踏襲していて、ドリンクはSサイズで190円、Lだと350円となかなか強気。(マックは100円~250円)
しかしバーガー自体は390円で価格が統一されている。
ここが他のファーストフードと大きく違うとこ。
例えばマックであれば単品価格110円のハンバーガーから、490円のサムライマックまで、客単価に違いがでるよう設計されている。
学生グループが食べに入ったとして、お小遣いに余裕がある人は、たまにはガッツリ食べようかな、なんて高めのバーガーに手を出してくれるかもしれない。
しかし、仮にバーガーがすべて490円だったら、そもそも学生グループは店に行くという選択自体しないかもしれない。
こんな感じで、安ければ来店してくれる人を補足しつつ、高くても買ってくれる人向けにも用意する、この価格弾力性の戦略がファーストフードという業態が上手く行っている一因だと思っていたので、その点でトリキバーガーは大丈夫かな、と気になったわけだ。
とまあダラダラ書いたけど、一度食べてみたいな。
今のとこ、品川の大井町だけみたいだけど、将来的に店舗は拡大して、ゆくゆくはチェーン展開も見てるとのことなので、機会があれば食べに行こうかな。
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