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無題


私にとって太陽は目であり監視するものだ。お天道様は見ている。私はずっと罪を重ねており、償うことができていない。たとえ今向かい合っている人間がそれを知らなくても、私をずっとみてきた太陽は全部知っているのだ。
周りに浮かぶ黄色い目は星だ。星は昼間でも夜でも空にいる。こいつらも私のことを見ている。そして、夜の間は隠れていた太陽に報告するのだ。あいつはこんなことをしていたぞ、と。夜は月とおしゃべりをして私の睡眠を妨げる。大きな声は私の脳内に直接響く。音によって生み出された文字の濁流が脳で氾濫を起こす。不要な物ばかりが散らかって掃除をしなければならなくなる。そいつらをまとめて海に捨てる。不法投棄。でも、あいつが勝手に食べるから問題ない。散らかったものをまとめて、投げ捨てておくだけで、波に流されたそいつらは、勝手に消えるのだ。そして巡り巡ってまた戻ってくる。口にして喉を通り越して胃の中に堆積していく。脳にあったごみが胃に移動するだけ。時間はそれを忘れさせてくれるけれど、過去は変わらない。それも、全部自分に返ってくるのだ。


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