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日本企業のAI導入について ~まだ間に合う
日本のDXは、残念ながら米欧中に大きく遅れをとっており、AIの導入・活用は言わずもがな、という状況です。そんな中「NECの社内ベンチャー」発、.dotData .Inc(ドットデータ)さんのインタビューから、まだまだ間に合う希望を感じます。
もともと2010年ころから「ビッグデータ」が注目され、それを分析して意味を見出し、実際の事業に役立てる「データサイエンティスト」の不足が認識されていましたが、日本ではデータサイエンティストの育成に全くと言ってよいほど取り組んできませんでした。
「米国であっても、スモール/ミディアムエンタープライズのマーケットとなると、100人規模の会社にデータサイエンティストが1人か2人いるといった程度」に対して、
「特に日本では顕著で、データサイエンティストチームを抱える企業はまだまだ少ない状況です。」
え!?日本には大企業ですらデータサイエンティストチームを抱える企業は少数派なのに、アメリカでは100名程度の会社にすらデータサイエンティストがいるんですか!?情報システム担当ではなく?という愕然とするほどの差が生まれています。
もともと、日本のIT人材は8割がITベンダーに所属し、アメリカのIT人材の7割がユーザー企業に所属しているというほど、企業内でのIT推進が遅れている=ITに対して経営リソースを割いていない(経営層にとって優先順位が低い)ことが背景にあります。
AI化もこのまま米欧中に追いつけないのか、と諦めるのはまだ早い、まだまだ追いつける。という希望を.dotDataさんがくれました。
AI活用のためには、
【上流工程】データ収集⇒データ加工(データを整理整頓する)
【中流工程】特徴量設計⇒モデルを開発
※特徴量とは「データを並べて「特徴的な差」を把握し、差が生じる原因や因果関係を調査してモデル化すること」です。
例えば、「夕焼けの翌日は晴れる可能確率は83%」みたいな傾向をとらえること
【下流工程】業務へ適用・改善となっています。
.dotDataは、従来はデータサイエンティストの頭脳を結集して行っていた上流工程と中流工程の特徴量設計を、豊富な事例から自動化してくれ、「データサイエンティストがいない問題」を解決するAIとなります。
もちろん、引き続きデータサイエンティストは必要で、未知の問題に対する仮説設定はAIでは無理ですが、汎用的な多くの問題が解決できます。
例えば、故障予測・需要予測(レコメンド・在庫予測・売上予測)・過重労働の予測などは、過去の経験を生かして.dotDataによる予測が可能と考えられます。
今後人間が担う最大の仕事は、ピーター・ドラッカーが言っていた「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。」に集約されると思います。
dotDataとは(WEBサイトより)
データサイエンス自動化ソフトウェア「dotData」は、NEC データサイエンス研究所の主席研究員だった藤巻遼平氏(現dotData, Inc. CEO)が中心となって開発された。シリコンバレーに設立された同社には、dotDataのコアをなす、NECが持つ最先端のAI技術とそれを担う人材を移管。データ分析の市場ニーズが高い米国で技術開発・事業化に取り組みながら、世界を相手に戦うための実力を磨いている。
ここには、自社で囲い込むことをせず、日本全体のAI先進国に押し上げようとするNECの心意気を感じるのは私だけでしょうか。
https://www.hpe.com/jp/ja/customer-case-studies/servers-moonshot-dotdata.html
なんとこの事例、競合であるはずのHPEのサーバー導入事例です。NECはIBMみたいにハードウェアメーカーからSIerに脱却する過程にあることが伺えます。NECさんイイネ!
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