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本気でクソデッキ調整録〜僕が一番、デルニーを上手く使えるんだ!!〜

好きなカードはありますか?
私はある。
(MTGアリーナBO3スタンで、WCをカスレアに捧げるのが趣味の)筆者は、チェインしそうなカードが好きだ。

かつてスタンを席巻した時は感動した

チェインコンボ。
揃った瞬間に勝利が確定する無限コンボよりも、手順が複雑。それでいて、勝利条件まで完走できるか分からない。そんなピーキーさに心惹かれる。
いつかケシスコンボみたいなデッキを、自分の手で生み出したい。
そんな夢を抱えた筆者の調整録である。

1.環境俯瞰

カルロフ邸殺人事件を迎え、新環境となったスタン。結論から言うとかなりの良環境である。
速度の赤単アグロ・毒アグロ。
万能さのラクドスミッドレンジ・エスパーミッドレンジ。
スケールの版図ランプ。
ボリュームゾーンが版図ランプ→アグロ→ミッドレンジと移り変わり、メタの変遷が楽しい。
歴代スタンで多色土地基盤が強い時代は、概ね多色ミッドレンジに収束する事が多かった。今回は、黒軸のミッドレンジがやや隆盛したところで、足元を掬う突き上げ要素がある。

1マナ域が強くなった

基本構造としてアグロはミッドレンジに勝ちづらい。しかし、1マナ域による手数差でアグロ側が勝つ可能性も残されている。
ウィザーズとしても、ローテーションを1年伸ばした事は想定外なはず。しかし、多色ミッドレンジが支配的になりすぎない安全弁として、アグロの道もあるのが良環境と感じるポイントだ。もちろん、より遅い版図ランプもミッドレンジを喰うボジション。
速度・万能さ・スケール。それぞれでメタが循環し、一強を許さぬ群雄割拠の時代だ。楽しい。

2.戦略方針

さて筆者は環境初期に何を組もうか。
心に決めていたのは、一撃必殺があるデッキだ。
黒軸ミッドレンジ・版図ランプに勝つ為に必要なのは、殺意だ。シンプルにアグロデッキでも良いのだが、黒軸ミッドレンジの除去と接死クリーチャーの壁は高い。

鉄板

攻守にバランスの良いパーツと、長期戦を制するアドパーツが重視して採用されている。個人的には、アグロや中途半端なデッキで挑みたくない。
逆に、ダメージクロックはそこまで高くない。あとから一撃必殺で捲れるのであれば、何かしらのコンボを仕込む時間はある。

当然、版図ランプも狙った戦略だ

テーマは一撃必殺。お誂え向きにエキスパンション名が殺人事件なのだから、人を殺せるデッキを組もう。コンボパーツになりそうな新カードは多々あれど、このカードが最も琴線に触れた。

お高いそうで…

どうすれば、お値段に見合った性能を引き出せるか。毒アグロで使う?
殺意も充分。。。いやいや、それは世のデッキビルダーの皆様にお任せします。

色々候補はありそうだが、ジェスカイレジェンズはどうだろう?

3.概要解説

過去記事のドリルでも取り組んだが、ジェスカイレジェンズとはどういうデッキか解説しよう。
結論からいくと、伝説のクリーチャーによるチェインコンボを狙うデッキだ。

マナ担当

この2種が揃うと、2マナ以下の伝説のクリーチャーがフリースペルとなるのが骨子だ。伝説を唱える事でローナがアンタップし、伝説の秘宝の下の能力は召喚酔いを問わない。結果2マナが手に入るので、カードが続く限りチェインできる。

アドソース

これらは引くのを置換したり、捨てるに反応して衝動的ドローをもたらす。ちなみに、エルス影響下で「引いて捨てる」を行うと、2枚衝動的ドローが起こり、手札を1枚捨てる。手札が無ければ捨てない(重要)

ルーター補強/打点補強

青いクリーチャーがタップするたび、引いて捨てるが発動する。ローナがマナを出すたびルーティングを行い、それがエルス/インティによりアドへと昇華される。ここまでの一連の流れでチェインである。
また、アーティファクトロードでもあり、フィニッシュを助ける役割もある。

フィニッシャー

追放領域からプレイされると、飛行機械トークン。チェインを繋いで、これで20体トークンを出せばコンボ完遂である。ピアの能力で速攻を持つので、チェインターンにそのまま勝利できる。
トークン20体と書くと「…無理では⁉」となるが、上記アンクタスによるロード効果で10体。実戦ではライフ推移により、7〜8体で勝利条件のラインとなる事が多い。

まとめ。上記6〜7種のコンボパーツを、チェインにより揃えていくデッキである。
開始時にはチェインが完遂できるか不明。ただし、インスタントやソーサリーを軸としたコンボとは違い、単にクリーチャーをプレイしていくだけである。明確なコンボスタートのターンという概念は存在せず、完遂できなくとも次のターンにまたチェインするし、単に盤面づくりのターンに費やすつもりだったのにいつの間にかチェインに‥

とかやってるうちに、すっかりこの魅力の虜になってしまった。

その中性的な佇まいも魅力的

さて、魅力の塊ジェスカイレジェンズ。お気づき頂けただろうか。伝説の秘宝以外すべてのパーツ、パワーが2以下である。
そして、誘発能力の集合体だ。
・ローナ∶伝説を唱えるたび、アンタップが2回。
・インティ∶攻撃するたび、捨てる選択肢が1回増える。また、捨てるたび、衝動的ドローは2回。
・アンクタス∶タップするたび、ルーティングが2回。
・ピア∶追放領域からプレイするたび、トークンが2体。
ちなみに
・エルス∶ドローの置換は誘発ではない。
ただし、そのドローの元となる、ローナアンタップ/アンクタスルーティングは倍。4枚とか8枚とか平気で衝動する。チェイン進行時は唱える→捲れるのループで衝動ドローが20枚を越えることもザラ。その状態を個人的に「黒い衝動」と呼んでいる。青赤だけど。

デルニーのもうひとつの能力、ブロックされないもインクの染みではない。版図ランプがフルマナタップしてアトラクサを出した返し、ダメージ計算に頭を悩ませる必要が無くなった。
デルニーによりチェインの誘発を強固にし、アタックを押し通すようになった。総じて『時間』に猶予を与えてくれた。アリーナにおいて時間は重要なファクターで、時間切れが無くなったのは大きい。プレイが簡単。

4.当落線上

採用を検討したカード達を紹介する。
チェインの都合上、2マナ以下の伝説クリーチャーが主体となる。

当落線上ではない

いきなり必須パーツの話だ。
英雄の公有地からプレイできる、最強の1T目挙動。
クリーチャーをだらだら並べるコンボであり、除去を丁寧に合わせられると「えっ。私のデッキ、弱すぎ…⁉」となる。しかしスクレルヴがいれば、そんな心配とはおさらば。
しかも、チェイン中に捲れると、マナが増える唯一無二の存在。コンボパーツではないので前項で紹介はしなかったが、最強。

アグロ対策兼墓地対策

かつてはメインにいた枠。絆魂はやはりエラい。
ただし、コンボに寄与する要素がないのでサイドで活躍して頂こう。

出来事面は無視

かつてメインにいたその2。
殴ってアドを取る動きは、特にデッキに合っている訳でもない。

その3

書いてあることは素晴らしい。集合した中隊のアッパーバージョンとなる瞬間もある。ただ、だいたいの場合において、そんなにマナは無い。弱い盤面から巻き返す力はなく、勝っている時だけ強いオーバーキルカード。
白赤召集がイキイキとイーオスの遍歴の騎士をプレイしているのと見比べると、格差社会の現実を突き付けられているようで真顔になる。

召集が羨ましい‥

次。

ルーティングって良いよね

インティとの相性が素晴らしい。ただ、ルーティングのタイミングが戦闘後であり、衝動的ドローから飛行機械トークンを生成しても速攻が活きない。
あと、だいたいアイツが悪い。コウモリ。

アーティファクトメダリオン

伝説の秘宝とアンクタスが軽くなる。
3マナがダブつく、デッキの構造上の欠陥を補う。ただし、こいつが手札にダブつくと、モニターをそっ閉じしたくなる。1枚だけ採用して、上振れブン回りに寄与してもらう程度がちょうどいいか。

未来予知

ステンで軽くなり、アグロへの壁となり、全体除去された後の復帰に貢献。

わかりやすいナイスサイド

除去で盤面をコントロールしてこようと目論んだ相手にぶっ刺さる。こちらの伝説の秘宝も重くなるので、その後に出したい。

リアクションカードさんたち

ハマれば強い。
エルスを使った事が無いと、ピンと来ない話をする。一生手札が増えないのだ。ただただ盤面に衝動的ドローを還元していく構造。手札を溜めておけば、とは言うものの、ルーティングにより手札はどんどん捨てられる運命。
ハマれば強いので、リアクションカードは無駄カードになる覚悟で投入するものとなる。

能動的な対策

裏面も含め、ピアとの相性がずば抜けている。
手札を覗いて太陽降下が2枚あると、椅子に座り直す。なんで追放なんだろう…

自分が全体除去を使うこともある

パワーが2以下しかいないので、変なラスが使える。相手がクリーチャーベースのミッドレンジな時に。

パワーが2以下

こちらの盤面を根こそぎにしようと目論む相手に。全体除去を連打されても勝てたりする。

5.研究成果

様々なカードを試した。サイド候補は充実するものの、メイン残り数枚がふわふわしていた。これだ!!というものになかなか出会えない。
どんな相手に対しても有効という視点だと、マナに関わるカードが良さそうではある。3マナ域がダブつくのは構造上避けられないので、それを緩和するカード。
探して探して、ふと気付く。1マナから動くデッキが増えており、こちらも1マナ挙動でないと追い縋れない。そして1マナで検索し、出会ったのだ。クソオブクソカードと。

ピーキーさの権化

黄金犬は完全にクソカードなのだが、ハンドアドバンテージという概念と無縁のデッキにとってはゴールドエクスペリエンスだった。宝物という無機物に生命を与える。黄金の風。
1ターン目挙動であり、3マナ域を補助する。チェイン中にマナを助ける事も、逆に捲れてとりあえずプレイする事もある。なお、威迫先制なのだが、存在感が無い。よく相手を誤認させて、赤塗りの黄金車にタフネス1を突っ込ませる能力も持っている。

早ければ4T目、概ね6T目にチェインが完遂するクソデッキ。楽しすぎて依存症がある。

以上で今回の調整録は終了である。
一応言っておくが、これはケシスではない。単体除去、全体除去、手札破壊、置物破壊。ありとあらゆる妨害に引っかかる。強いとはとても言えない。
しかし、回せば回すほどのめり込む魅力がある。チェインでしか摂れない栄養素、それが貴方にも伝われば幸いだ。

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