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本気でクソデッキ調整録〜俺のドリルは天を衝く~

好きなカードはありますか?
私はある。(MTGアリーナBO3スタンで、好きなカードを泣きながらサイドアウトするのが趣味の)筆者はルーターが好きだ。

プレドラ初手で取りました。1-3で負け越しました。

筆者はアーティファクトも好きだ。
両面カードも好きだ。
そして男の子なので、ドリルという響きだけで心が踊る。

本記事では以降ドリルと呼称します

好きな要素で交通渋滞を起こしている。今回のクソデッキは、このドリルが主役だ。
あまりにも好き過ぎて、真っ先にWCを砕いて4枚揃えた。
魂の洞窟よりも時系列は先だ。ドラゴンが大好きで「閑静な中庭、ちょっと弱いんだよな〜。なんとか英雄の公有地8枚にならないかな〜。」とかほざいていたはずだが。

優先順位を間違えている

本記事は、そんな大好きなドリルで現代スタンに風穴を開けようと、あがいた弱虫筆者の記録である。

1.落魄増殖

まず注目したのは落魄である。
自身のターンに落魄する、という条件は思いのほか厳しい。

リミテでも機能させるのが難しい

例えばドラフトでの赤黒落魄の場合、かなりアグロに寄せてアタッカーを無視しづらくする・切削カードを意識的に採用する。といった工夫が求められる。もちろん求められた要求を満たした際の爆発力は心が踊る。しかし、ただのミッドレンジになんとなく入れても、まったく活躍しない。

スタンで使われるレベルではない(でも好き)

多少の差異はあれど、同じマナ域の近しいカードが箸にも棒にもかからない以上、ドリルの表面はスタンレベルではない。当たり前の結論を論理的に言ってみた。
裏面こそがドリルの存在意義であり、落魄はクリアすべき前提条件だ。
さてどうするか。

インクの染みだと思ってた

落魄+増殖。
2マナ3/2と殴り値は確保しつつ、気が向いたらスクーナー船とかも割れる。何より2T目腐れ花→3T目ドリル→4T目腐れ花能力起動で、ドリルの変身条件達成の流れは美しい。

まず取り組んだのは、赤緑に増殖の黒を加えたジャンドである。

増殖シナジー

どれも単に強いのが良い。
特にドロスの魔神は、鋭角な殺意を顕現させた。のんびりしがちなクソデッキの中で、キルターンを短縮させてくれる存在。
他のパーツも黒緑ミッドレンジに採用されるカードが多く、ちゃんとしたデッキだった。
『クソカードのまわりをちゃんとしたカードで束ねると、まともっぽいデッキが産まれる』
という学びを得た。
なおこの学びは、まだ気づいていないもうひとつの学びと逆説的に結びついている。
『クソカードを活かす為に、それとシナジーする別のクソカードを採用すると、デッキではなくクソの塊が産まれる』
こちらのがよっぽど重要なのだが、まだこの時は知る由もない。

このデッキはまぁまぁだったが「そもそもジャンドカラーはあんまり好きじゃないんだよな。」という性癖が理由で走り込み頻度はそこそこだった。なぜ組んだし。

最近のスタンではあまりできなかったが、PW並べると脳に良い。

個人的な今期スタン俯瞰は「前門の虎、後門の狼。特に狼がヤバい。」である。前門は虎は早さを表し、後門の狼は遅さを表す。後門の狼たる版図ランプは、近年の遅いデッキの中でも出色の出来だ。魂の洞窟+アトラクサは、普段なら最遅のポジションを取るはずの青白コントロールデッキを環境から締め出す強度だ。

強すぎる

後門の狼たる版図ランプを手堅く処せるのは、手数差で圧倒する赤単アグロ。前門の虎である。かつては赤単アグロと青白アグロの2強だったが、青白は魂の洞窟の打ち消し耐性でやや裏目が増えたか。
前門の虎を打ち倒し、後門の狼を睨むデッキが後に続く。エスパーミッドレンジ・ラクドスミッドレンジ・ゴルガリミッドレンジ等々…なのだが、後門の狼がちと強すぎる。

生半可な攻勢では仕留められない

もちろんミッドレンジ側も大洞窟のコウモリや打ち消しで対応しようとはするのだが…うっかり版図が豆の木に登ったりすると、アド差で押し潰される未来しか見えない。

速度を落として対処しようと試みても、裏目がある

やや話がそれた。
たのしい算数ドリルのような中速デッキでは、後門の狼が仕留められない。手数や速度が欲しいという話だ。着実に学びは得た。
一回転すれば、ほんの少しだが前に進む。それが…ドリルなんだよ。

2.アーティファクト

筆者は何かしらのシナジーカードが好きだ。
AするとBが起こる。小さなアドバンテージから、人を殺すものまで千差万別。なんでも楽しい。
シナジーカードの弱点は、それとかみ合うカードがこなければクソザコナメクジな点だ。

かみ合うと人が死ぬ。片方しか引かないと…

カード名は仰々しいが、単騎では特に何もしない。クソデッキあるある。そういった際に互換性のあるカードが複数種類あると、片方しか引かない事故が緩和できる。

こういうの

これらがA群となれば、B群はドラゴンとなる。こういう群を見つけるのが楽しい。
さて、どんなA群をミッケしたのだろうか?

みんな大好きインティ君のお友達を紹介するよ

3つの役割が重なっている。

Ⅰ.カードを捨てるとアドい。
メインシナジー。B群の「カードを捨てる」と組み合わさる。ライブラリートップを使えたり、捨てたカードを使えたりする。何かよくわからない脳内物質が分泌されて、健康に良い。
Ⅱ.追放領域からのプレイ
初見では気づきづらいが、このA群は追放領域からプレイする。土地はダメ、といった制限もない。追放領域とのシナジー、C群との組み合わせもあり得る。
Ⅲ.2マナ域
シナジーという話ではないが、どちらも2マナ域なのは重要なポイント。2マナ域はデッキの中で手厚く取るマナ域であり、B群やC群が高いマナ域で良いのは自由度が増す。また、A群を再現性高く2ターン目に置けるという意味でもある。

更に、このA群2種は相互にシナジーする。参照先がそれぞれライブラリートップ・捨てたカードなので、効果が重複する。
実は、インティの前にも隔離用構築物とのA群は存在した。

A群だが、同時に存在しても意味が無い

シナジーカードあるある、役割がカブっている。
その点、インティのライブラリートップ参照のありがたいこと。更にインティは攻撃誘発で自発的に捨てられるので、A群のみでシナジーも完結できる。
インティが強い、という当たり前の事を書いただけである。

主役を忘れるな

インティ+隔離用構築物によるA群Ⅰ〜Ⅲのメリット。どれもドリルと重なり合う。これは‥デッキになるのでは?

さて、B群の「捨てる」をどうするか。今のところ赤単色でまとまっており、赤にも捨てる手段は存在する。しかし、筆者はルーターが好きなので、やはりここはやりたいようにやろう。

青2マナ、伝説のルーターによるB群

スタンのカードプールが広がり、2マナ域に絞ってもルーターの選択肢が多彩だ。楽しい。

さて、A群の捨ててプレイは衝動的ドローなので、軽いものが好ましい。重たいカードをめくると使えず強みが薄れてしまう。対版図では速度が重要と認識できたので、軽さによる手数を活かしたアグロを目指す。

隔離用構築物とドリルはアーティファクトなので、アーティファクトとシナジーする手数アグロ。海賊の出番だ。

1マナの偉大さ

追放領域からのプレイでは、残りマナが1マナのみの場面はざらにある。2ターン目隔離用構築物→3ターン目インティ+土地置かずアタックし能力誘発。この場合、捨てたカード・めくれたカードが1マナ域・土地なら宇宙だ。
また単純に、1ターン目遠眼鏡のセイレーン→2ターン目ゴブリンの墓荒らし×2で、すでに5点入っている。
…2ターン目5点⁉
次のターンにブリーチェスが出たら祭りだ。

また、マルコムとドリルの相性がずば抜けている事に気付く。

表も裏も相性良し

表ドリルは落魄なので、回避能力持ち殴りルーターであるマルコムと相性が良いのは分かっていた。更に変身は自身の終了ステップなので、裏ドリルをはじめから活用するのに瞬速パーマネントは大活躍だった。

このデッキは割とちゃんとしていた。特に版図への殺意は明確で、コンセプトが立っていた。

ただ、真面目に調整するとドリルを抜いて海賊パーツを増やしはじめるので、そこで考えるのをやめた。

どう考えてもブリーチェスがバケモン。海賊以外が異物。
別に「イクサラン失われし洞窟 限定構築」がやりたかったわけではないので、このクソデッキはここまでとなった。

3.追放領域

A群のメリットⅡで「C群 追放領域からのプレイ」とシナジーする、と挙げた。

こっちが本命

海賊アグロは、2ターン目にA群のカードを置くのが弱かった。最強の動きはB群のマルコム、ないし1マナ+1マナの動きだった。
しかし、C群のピアがいれば世界は変わる。2.3ターン目はA群たるインティ・隔離用構築物を展開し、4T目にピアを出せばベストムーブだ。
A群どちらかがB群のマルコムorローナに切り替わっても問題ない。

縦横無尽に織り重なるシナジー

美しい。。
これは、最強デッキきたんじゃないか⁉

『クソカードを活かす為に、それとシナジーする別のクソカードを採用すると、デッキではなくクソの塊が産まれる』

あまりにデッキが弱すぎて、寝て起きたら小人さんに解体されてるんじゃないかと不安になった。

版図を殺し切るほどの速度もなく、赤単アグロに粘り勝つほどの守備力もない。
デッキのほとんどが2マナ域であり、とても痩せている。かつ、シナジーを発揮しても太くなる感じでもない。
あと、ドリルが弱すぎる。2ターン目にA群、3ターン目ドリルと動くと何が起こるか分かるかい?
何も、起こらないんだよ。

虚無

とても悲しかった。好きな要素の宝石箱なデッキだったため、落胆もひとしおだ。

4.ジェスカイレジェンズ

手数、ないし一撃必殺。殺意が、殺意が足りない…
そんな時に出会ったのは、コンボデッキスキーな逸品だった。

通称Aさん。一風変わったコンボデッキで楽しませてくれる推しプレイヤーだ。
採用されているカードはどれも知己のものなのに、組み合わさると一撃必殺が見える。素晴らしい。
特に、チェイン要素が最も強いエルスを使い倒していたことに感銘を受けた。

しかし当然ながら、コピーして回してみると欠点も浮かび上がる。

もっさり

3マナ域ダブつき事故。当然2マナ域も多数用意されてはいるのだが、初手が土地+3マナ域のみ。なんてことは日常茶飯事。
一応2マナ域にアーティファクトのメダリオンを入れたり、改悪を試みるもあまり上手くはいかなかった‥
そこでふと思い出す。A群って2マナ域だよな⁉

ドリル抜けてんじゃねーか!!

…勘のいいガキは嫌いだよ。
3マナ域がダブつくんだから、クソ雑魚3マナ域なんて入るわけねーだろ!!

キーカードを抜いたらデッキが完成する。クソデッキあるあるだった。
なおそこまでして組んだデッキも、チェイン率が下がっており、あんまり強くない。という結論に達した。

以上で今回の調整録は終了だ。
クソみたいなカードを活かすべく、四苦八苦する姿をお楽しみ頂けたなら幸いだ。
自分が信じたクソカードを信じ切れなかった…どこかから、アニキの声が聞こえる。。
「お前を信じるな。俺を信じろ。お前が信じる、俺信じろ」
アニキ、おれ、次こそがんばるよ…

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