本気でクイックドラフト研究録〜上家も下家も白赤決め打ち太郎〜
好きな色はありますか?
筆者は(MTGリミテッドにおいては)全色好きだ。
MTGアリーナのスタンで、カスレアを使ってクソデッキを組むのが趣味の筆者。さらに無課金勢なので、貧者の味方クイックドラフト様には頭が上がらない。
プレイブースターの導入により、変化を迎えたMTGリミテッド。クイックドラフトにはどんな影響を与えたのか。カルロフ邸殺人事件で得た知見を元に、今後のエキスパンションでも通用する戦略が練れるのか。クソザコナメクジな筆者なりに本気で研究したので、ご笑覧頂ければ幸いだ。
A.義務教育
カルロフ邸殺人事件のドラフト環境を、簡単におさらいする。
白が何色と組み合わせても強い優等生。中でも白赤が抜きん出てトップ。
黒が1弱。
緑は2色で骨格が強いデッキでも、ドチャ多色でも存在感あり。
赤は白と組むとやたら強いが、他はそれなり。
青は添え物。青赤だけ異常に楽しい。白青探偵はちゃんと強い。
色の強弱がはっきりした環境で、弱い色に参入するには明確な戦略が必要。
こんな世界の果ての記事を開いてしまう方にとっては、当たり前すぎる共通認識である。
B.白赤の霊圧が…消えた…?
トップメタは白赤やな!!なら白赤決め打ちや。もろたで工藤!!
‥とは、ならないのがクイックドラフトの面白さ。bot様は確固たる意志で白赤を殺しにきている。
上記は白アグロをやる際、キーとなるコモン群だ。筆者の感覚では、4〜9手目程度でピックしたい。逆の視点から言うと、その順手で流れてくるポジションの際、白アグロに参入したい。
そしてクイックドラフトにおいて、その順手ではこれらは枯れている。
エキスパンション毎に、クイックドラフトは前期・後期の2期が通例だ。2月17~27日の前期が終了した際、ふと所持カードを確認した際に目ん玉が飛び出た。
脅威の所持枚数ゼロ枚。
白赤アグロ、なかなかやらせてもらえないな~。そんなのんびりしたことを考えていたが、自分の思っていた以上に真実は過酷だった。
全然関係ないが、その時点でニヴ様は4枚揃っていた。
bot様がニヴよりひよっこ捜査員を優先する、という意味ではない。レアはちゃんと取られていく。個人的なピックの優先度と、bot様のピック優先度に乖離がある。そしてその乖離は、3パック目でも解消されない。
トップメタのドラフトアーキタイプは、なかなかできるものではない。今回で言えば白赤アグロはもろにその影響を受けている。
C.bot様の機嫌を伺う
大前提として、bot様のピック手順を決めるアルゴリズムは見つけられていない。色々考察するが筆者の妄想であり、エビデンスは存在しない。
1.何の元データに基づいてピック手順を決めるのか?
→おそらくプレイヤーのピック手順。プレミアドラフトなのか、クイックドラフトなのかは不明。ただし、前期開始時点で「精度が高い」と感じるピック手順なので、プレミアドラフトの可能性が高い。
2.元データは更新されるのか?
→される。後期になり、プレミアムな白コモンが3パック目7手目で流れてくる事があった。
3.元データの更新頻度は?
→1ヶ月とかよりは早い。リアルタイムは不可能としても、日毎や週毎はあり得る。少なくとも、1期が丸々同じアルゴリズムではない。
これらは緑のそれぞれの戦略を支えるカードだが、どちらかが複数枚ピックできる日は、もう片方は流れてきづらい。
4.bot様がピックしたカードは、後の手番に影響を与えるか?
→与えない。言い換えると、プレイヤーがピックした/流したカードは影響を与えない。自分が白をピックし、緑を流したとしても、返しに白が安く流れてくる事は期待できない。
5.レアリティの高いカードは流れてきやすくなったか?
→なった。プレイブースターの影響は確実にある。レアの枚数増加は大きい。
それぞれ別の回で発生した。1パック目2手目のラクドスは神だし、2パック目4手目の罪人の焼却者はバグを疑った。特に、4手目…特別枠を含めてレアが4枚出る可能性があるとはいえ、罪人の焼却者より優先するレアが3枚出るとは考えづらい。bot様のピック基準に、レア最優先以外の何かがありそうだ。
弱いレアに関してはさらに顕著で、5手目で確認できる場面もある。
クイックドラフトにおいては、レアが5手目に存在するのはかなり異端。
なお、これらは日常的に起こっているわけではなく、珍しいケースなのは補足しておく。ただ、そういった紛れが起こり得るようにアルゴリズムが改編されていそうだ。プレイブースター導入により、以前よりレアが流れやすくなった。
繰り返しになるが、これらはウィザーズが公表したものではなく、エビデンスはぺらっぺらだ。要は筆者の妄想であり、それで構わないと考えている。
ドラフトは非公開情報から類推を重ねるゲームであり、そこに楽しみがある。仮定と行動が大事。PCDAサイクルとか言うと、なんだか頭が良くなった気がするだろう?今の筆者はそれである。
D.手広くという名の緑決め打ち
仮定に基づいてどう行動するか。
結論は緑決め打ちであった。順序立てて解説していこう。
強アーキタイプの白赤アグロは成立しづらい。白の2マナクリーチャーが流れてこないので、マナカーブが歪な中途半端アグロになりやすい。横並べ(大隊)をテーマとするアグロにとっては致命的。
bot様を相手どって、そんな恵まれたピックはできない‥
逆に考えるんだ。『あげちゃってもいいさ』と考えるんだ。
点数が高いカードがあれば、相対的に安いカードも存在する。弱アーキタイプのカード群、特にマルチカラーアンコモンはかなり遅い手番でも存在する。
マルチカラーアンコモンが各セットに標準装備されて幾年月。今さらだが、この仕組みはリミテッドにおける革命だと考えている。
カードパワーがありつつ、ドラフトで流れてくると分かりやすい色指標。毎セット常磐木となるのも納得だ。
これらは白アグロパーツよりも安い。そして重要なのが、アグロに対抗する為の2マナ域が多分に含まれている点だ。
遅い順手で色の合わないマルチカラーアンコモンが流れてきたら、気軽にピックしておく。そこから2色に寄せられるなら寄せていく。なお、そんなに寄せられないので、結果緑多色になる。
手広くという名の緑決め打ちの完成だ。
E.スピードの向こう側へ
さて、カルロフ邸殺人事件においては、以下2点から緑多色決め打ちを戦略として据えた。
レアが流れる可能性が上がり、ボムレアを組み込む緑が構築しやすい。
白赤アグロ1強、相対的に緑多色アンコモンが安い。
これらを基に、今後のプレイブースターによるクイックドラフトで共通の戦略が取れるだろうか。
目下に迫ったサンダー・ジャンクションの無法者環境では、前提が違えている。
コモンに2色土地が存在し、無色にもマナサポートが存在する。緑以外でもマナ基盤が強化された。
緑が強カラー。相対的に緑が高くなりうる。
前者は砂漠だ。
また、弱いもののアーティファクトにも色マナサポートがある。
だから弱ぇんだよ、と思っていた。検索したら拡大鏡は再録カードだった。知らんかった。カルロフ邸殺人事件に再録するのセンスがありすぎる。カード名といい調査といい。脱帽。
閑話休題。
緑以外のマナ基盤は、明確に強化された。
後者は、サンダー・ジャンクションの無法者環境では緑の勝率が高い。より厳密に言えば、緑・白・黒の組み合わせが強い。
この3色はどの組み合わせでも強いが、しいて3色に優劣をつけるならば、赤・青と組ませても安定感を発揮する緑が一歩抜きん出ている。
となれば、緑はbot様に目をつけられるのではないか。
F.そして伝説へ‥
サンダー・ジャンクションの無法者では、筆者は下記優先順位で戦略を立てる。
色を問わずボムレアをピックする
緑の優良カードをピックする
色を問わず優良カードをピックする
緑のマナサポートをピックする
特に2.と4.が叶うのかが焦点となるだろう。
叶うならば、楽しく緑多色をぶん回せる。叶わないのであれば、相対的に安い弱アーキタイプに切り込む。青が1弱なので、青絡みのアーキタイプをどう完成させるかに焦点が移る。
悪事にしろ2ndキャストにしろ、専用パーツのみでデッキを完成させられるならば強い。あとは専用パーツが安いか否かだ。
ところで、マルチカラーアンコモンを見直すと、2マナ域の種類数は減っていた。
手厚く取りたい2マナ域を、安いマルチカラーアンコモンで埋める戦略は実現しづらいか。
戦略が成立し、緑多色をうはうはと回しているのか。成立せず、マルチカラーアンコモンを主体とし、弱アーキタイプに寄せているのか。
数日後に控えたサンダー・ジャンクションの無法者クイックドラフト、今から筆者はとても楽しみだ。この記事を読んで頂いた方も、ぜひお楽しみあれ。
次会う時は、戦場で。
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